2014年11月17日月曜日

彼女と過ごした4日間

アメリカから友人が帰ってきていました。でもまた流離のように旅立って行ってしまいました。帰ってきている間、彼女と4回会いました。1回1回のその日のことを目を瞑って思い返すと彼女の印象深い表情が4つとも違って、全て彼女の全力を見ました。
自分の気持ちを大事にしていて、それを素直に言葉と表情と体全体で私に伝えてくれて、思い悩んでいることも全てが美しかったです。とても魅力的でした。

私はなかなか人を目の前にすると戸惑ったり固まったり、東京に来てからは只管に自分のやるべきことは何かとそのことばかりで、人とのコミュニケーションを憚っていたのかなと思うほどで、でもイギリスに行って何が一番良かったって、私が人生でまたやってこなかったことや苦手だったことを少し出来るようになったことだと思います。
英語が話せなくて、外国では察するとかそういうことは無いので、何でも伝えないと始まらなくて、唯一向こうでの路上の通信ツールだったテキストと電話しか出来ない小さな携帯が壊れた時もどうにか携帯のshopのお姉さんに何かをワーワー言って、銀行を開設する時も、まあ日本ほど迅速に進まないので、エージェントのアカウントルームのチンさんに一筆下さいと、それを持って銀行の窓口でもワーワー言って、撮影も皆の意見が飛び交う中で最後の最後、核の部分が分からなくてこればっかりは帰ってからワーワー泣いて、何だか夏にも一回エージェントでワーワー泣いた覚えがあるのですが、何の理由だったか覚えておらず、ブッカーに「イギリスに友達が居なくて心配」とかなんとか言われてそんなことじゃねえと思った事だけ覚えています。でもそれら全部の日常も仕事も自分にとって一生懸命で、考える余地もなく感情が伴っていた日々だったなと改めて思います。

そしてそのことを持ち帰って、そう目の前に居る人は人同士で、話せば伝わると
英語ではなかなか伝えられなかったことを日本語だったら言葉拙くともどうにかして伝えようとすれば伝わると、それを学んだお陰でイギリスに行く前とはまた違った形で仕事をしているような気がして、もっと人間っぽい何かを知るようになりました。もう随分と突っ走って、失速しそうになっていましたが、きっと本当はここからが始まりだったんだなと、最近では街で偶然に出会う人達の様子が今後の自分の方向へのメッセージなのかなと思いました。

日本に帰ってその彼女と話して、彼女は私に持っていないものを持っていて、とても私には刺激的で魅力で、一生懸命という言葉がとても似合っていて、そんな素敵な彼女が誕生日の前夜、私に片方のピアスをくれました。今までちょっと貴金属たるものにまだ興味を持て無くて、ずっと開けてこなかったのですが、自分が何かをやったと思えた時に開けた方が少しは開けた時の事を覚えているのかなと思い、日本に帰ってきた時に開けてみました。まだ多分穴は定着して居なくて、貰ったピアスをつけていないのですが、一緒に食事をしている間、4回は箱から開けてピアスを取り出して眺めては直し、取り出しては終うを繰り返しました。彼女の選んでくれたピアスが私の性格のようなものに似ていると言ってくれて、私はそれも嬉しかったのですが、その形が彼女の魅力的な、私には無い部分が表現されていて、二人の間柄というか、彼女から貰ったんだということを一生忘れられないものだと思いました。