2015年3月17日火曜日

一幕の思い

一昨日無事に千秋楽を迎えることが出来ました。
起きてもう台詞の練習をしなくても良いのだという不思議な朝を迎えて、これほどにも苦しんだ台詞をまだ終わってからも心の中でフッとした時になぞっている自分がいました。

一ヶ月前は脚本の読み方も何も分からず、でも毎日毎日その二次元から立体化させていく作業で女優の方々を見ながら少しずつ少しずつ本当に少しずつ紐が解けてはチャンネルを修正し、なんだかその繰り返しだったと思います。この一ヶ月ずっと役と向き合って口を開ければ台詞台詞と、本当にこんなに喋った一ヶ月は人生で初めてでした。

舞台が決まってから何をやれば良いのか分からず、とにかく舞台も沢山沢山見ました。でもまだ稽古に入っていなかったこともあって、見方もあまり分からずただただ観客として楽しんでいただけで、稽古が始まってから観に行ったお芝居は全然見方が変わっていました。

発声にも通って人間の声帯の物凄く小さな筋肉と口の中の空間の形にも寄って色々な音を奏でているのだという素晴らしさにも感銘を受け、人への伝え方や責任や語尾の思いやりを知りました。
そして自分の持ち場をしっかりやって次のシーンに繋げていく。次の言葉のためにちゃんと繋いで、舞台は色々な意味で思いやりで出来ているのかと思いました。
たくさんの方々が見に来て下さり、その日に何かお言葉を頂くことでまた次の公演の活力になって、本当会場にいる皆様と作り上げている物だと思いました。
そして今までボソボソとしか喋って来なかった私の姿を舞台上で見た友人達には衝撃を与えることとなりました。

久しぶりに部活をやっていた時のようで
終わってみてもう少し解放感でファーとなるかと思いきやそうでもなくて、
でもこれからまた本の読み方も、きっと舞台に関しても自分がお芝居をやる前とは違う見方が出来ると思うのと、普段の生活で出会うことが無かった方々にお会い出来たことでまた人生の楽しみが増えたようです。

もう少ししたらまたたくさん本を読んだり、寅さんシリーズの続きを見たり、ずっとやりたかったことを思いっきりやろうと思います。
皆様の沢山の支えがあって、一つの幕が下りました。
本当にありがとうございました。