蝉の鳴き声が降り頻るや夏の日に大きな金のやかんを片手に
ランニングのおじいとせっせと山に登りました。
山の頂に着けば、小さな(スキーのモーグルのような)円墳が広がるその光景は
さぞ幼少の私には蝉の鳴き声など届かぬような恐ろしさがあり
その数々の円墳の麓に立って おじいは言いました。
右はおじいのおじいのおとう
後ろはおじいのおじいのおじい
左はおじいのおとうのおかあ
どこに立っても前も後ろも右も左もおじいとおばあとおとうとおかあの連続でした。
古来中国の漢文に楚の国が山の向うから聞こえる楚の歌を聞いて
対戦国漢が勝利の祝杯を挙げているのだと思い、自分たちは負けてしまったのだと 周囲は皆敵であるという状況を示す「四面楚歌」という熟語がありますが
私は幼少時奈良の山奥でおじいやおばあやおじいのそのまたおじいの間に立って
自分がここに立っていられるのはこの方々のお陰様なのだと
四面は墓でした。
本当はこの日が過ぎてから改めようと思うたのですが
自分がここに立って居られることに(今は座ってますが)感謝をしてから物事を始めようと思います。
これからまた どうぞよろしくお願いします。
2013/11/11