2014年3月31日月曜日

10001



先程東京に帰ってきました。
2日間東京を離れていただけなのに桜がもう沢山花を開いていました。
 
大阪での撮影後、少しの間奈良に立ち寄ることが出来たのですが
偶々にその日は私の産まれて1万日目の日だと友人が教えてくれました。
イギリスから帰って一度も顔を見せていなかったこともあって
そのような日に奈良へ戻ることが出来てとても嬉しく思いました。
 
そして10001日目の今日(実際には日付が変わって)
これまで腕時計というものが何だか似合わず
大学受験の時も卓上時計を持参し、着けたことがほとんど無かったので
なにか黒のバンドの腕時計たるものは無いかとカラフルな母に尋ねたら
母の母が、90歳で亡くなった虎之助兄さんの腕時計を着けてくれました。
 
針は1時で留まったままですが新たな始りとなりそうです。


2014年3月26日水曜日

ゆりか殿

 
 
初めて会ったのは私が上京して間もなく
大きな品川の駅で、ヨージさんのショーのキャスティングだったかしら。
何も分らない私を笑顔で出迎えてくれて、その場所に連れて行ってくれました。
早いものでもうすぐ5年が経とうとしています。
 
きっと私たちは途中途中仲の良い友達でもあり良き一番の私の理解者でもあり、そしてライバルだったと思います。
今ここに立ってみると自分の世界とゆりちゃんの世界とそれぞれに取り巻く世界が全く違う事に当時は分からず、今になって全てが優しく穏やかな彩として心に落ち着きをもたらしてくれています。
ゆりちゃんが居てくれたお陰で奈良に帰らずにここまで来れました。ゆりちゃんが居たからモデルの時間を楽しむことが出来ました。本当にありがとう。
全てにおいて幸せに、これからもっともっと格段に素敵な世界に出会えますように。
お誕生日おめでとう。これからもずっとずっとよろしくお願いします。
 
2014.3.26
 
 
 
 
 
 
 


2014年3月23日日曜日

全てはキャッチャーの腹に

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朝、目が覚めてカーテンを力強く縛り、あぁ今日も良い天気だと
かっぱ橋で新調した長方形のお皿いっぱいに焼き魚を置いて
これほどまでの穏やかな朝は年明け以来だと漸く自分の心に戻ってきました。
 
来週はとても楽しみなことがたくさんあるので、この週末は読み物に耽ろうと深川のしまぶっくに行きました。
 
 
この日本の文様シリーズを全部見たいと思ったのですがこれを一同に持って帰ると腕がきっと2、3センチは伸びると思うのでどうしようかなぁと考えている内に私の腕は既に7冊の本を抱えて居ました。
 
日本の文様とは全く関係のない本なのですが
小学館から出ている 週刊日本の天然記念物 『ホタルイカ』日本イカ・タコ図鑑
という表紙を見た時にソフトボール部に所属していた中学時代を思い出しました。
 
当時ピッチャー だった私はバッテリーであるキャッチャーの子と過ごすことが多く、彼女の思い出はとにかくよく食べるという事でした。
 
炎天下の中やっとのことで辿り着いた昼食にも私たちは口を開けて物を入れる元気すらありませんでしたが、彼女の弁当箱は皆の3倍はあり、弁当箱と言うよりかは弁当タワーでした。
 
いつもニコニコしながらそのタワーを食し、挙句の果てにはなかなか食の進まないサードやセンターの子の卵焼きにまで手が伸びるという4番キャッチャー大食いでした。
 
ある日、そのキャッチャー家にサードとセンターの子と遊びに行きました。
とても良く似たお父様が14歳の私たちに見たことも無いような美しいホタルイカを出してくれました。
どの時間帯にそれが出てきたのかは忘れてしまいましたが、晩ご飯を一緒に食べたのか、まさかおやつの時間帯に出てきたのか、それを忘れるほどに際立った美しさを持ったホタルイカだったので、その日から私たちの中でキャッチャーのお父様は『ホタルイカのおっちゃん』と命名されました。
 
 
 
 
 
 

 

2014年3月21日金曜日

チューリップと小鹿

 
 
昨日はずっと雨でした。
先日の嵐で私のお気に入りの傘一号が大破してしまったので、昨日は二号と一緒に家を出ました。
 
寒さも逆戻りして、そんな時に限って何故か薄着のコートをチョイスしてしまいましたが
昨日は上京してからずっとお世話になっている事務所の社長の誕生日でした。
 
 
イギリス生活の中で日曜日にしか開催されないフラワーマーケットがあって
日曜日になると皆が挙ってそこにお花を買いに行くので、午後にはいつも家中がお花でいっぱいになっていました。
ケイトはチューリップが大好きで、毎週黄色やピンク、
その愛らしさを知ってしまった私は濃いめのピンクのチューリップを昨日10本買ってオーディションに向かいました。
 
かなりの時間持ち歩いていたやしれませんが、雨が降ってくれていたお陰で社長の手に渡るまで、チューリップ達は元気に居てくれました。
 
上京してから幾度となく壁にぶつかり、色んなことが色んなことがありましたが昨日、漸く今季のコレクションで初めて社長にrunwayが楽しかったと報告出来ました。
 
今まで緊張のあまり舞台袖でガクガクブルブルワナワナしていたのが海外のコレクションを踏んで少しは肝が据わったのかいつもとは全然違いました。
 
本当にモデルを始めた頃はリハーサルが終わって、演出の人に「お前は生まれたての小鹿か!」と本番が始まるまで裏でずっと歩く練習をしたり、そんな時から考えると一歩一歩足が前に出るようになったなぁと思います。生まれたての小鹿も春日山を少し登るれるようになったみたいです。
 
チューリップにその小鹿の成長も添えて社長にプレゼントをしました。
 
 
KBF 2014-2015AW
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


2014年3月18日火曜日

ふきよせ

 
 
 
東京のコレクションが始まるまでにイギリスの事を纏め上げようと思っていたのですが
遂に昨日から東京のファッションウィーク が始まりました。
今季、私のAWの封切はmatohuさんでした。
 
 
 matohu 2014-2015AW
 
 
人生で初めて自分の中では長期日本を離れていたので
日本に着いて目に入るものがいつもとは違って見えて色々確かめたいことがあったので一番最初に浅草のかっぱ橋を訪れました。
 
イギリスの生活の中で最も気になったのが食卓の音でした。
お箸と、陶器や漆器とが重なる音と
銀食器と、カンカンのようなお皿や陶器とが打ち合う音
 
もう少し視覚的なことも言えば、日本の食器に描かれた和柄に藍の色
持ち上げた時の手の感覚、これはイギリスでは見ることはありませんでした。
 
日常お箸が普通にあって
漆器やお茶碗の柄や、さぞ当たり前のように感じていたものが無いのです。
それをかっぱ橋で改めて見た時のなんて美しいんだろう!という感動ったらありませんでした。もっと言うと、日本語の平仮名の字体をそれぞれのお店の看板ごとに見た時も、真昼間の閉まった焼鳥屋さんの前で何だか遠くにとても情緒のようなものを心のどこかに感じてサーっと後ろに倒れそうな不思議な気持ちになったり、
お蕎麦屋さんの前でただ「おそば」と草書に近い字体を見ては何て、なんて優しい心なのだろうと感動をしてしまいました。
平仮名にカタカナ、漢字、日本語には沢山気持を表現出来る字体があってとても良かったなぁと思いました。
 
 
東京のコレクションの話からはだいぶと逸れてしまいましたが
 
今回でmatohuさんのお洋服を着るのは4シーズン目になります。
毎シーズン、ショーの前にmatohuさんのアトリエでメイクテストをするのですが、
デザイナーのお二人と演出の辻井さん、ヘアのABEさん、メイクのNODAさん、スタイリストの長瀬さん、皆さんの意見を聞きながら、そしてデザイナーお二人の表現する世界を皆で創り上げていくそのほんの少しをいつも傍で見させて頂くのですが、どれほどに拘わって、どれほどに互いを尊重し、思いやり、
そしてアトリエの上の方をフッと見上げた時に目に入るmatohuの理念というものがあって、それを見る度いつもあぁここに来られて良かったなぁと思うのです。
 
matohuを着られることを誇りに思い、デザイナーお二人を人として心から尊敬しているのです。
 
デザイナーお二人もかつてイギリスに渡ったことがあるようで、その時何を感じたのかとても聞きたいですが、このmatohuのコンセプトにもある「日本の眼」というもの、経験してこられた人生の中でお二人が表現するクリエイションに辿り着いた経緯をいつか直接聞いてみたいです。
 
 
 
 
 
 
 


2014年3月14日金曜日

エジソンの母

 
 
 
 
今回の滞在で何が一番良かったかというと
 
イギリス人の家族と一緒に生活を共にしたことです。
 
 
イギリス人の一週間の生活サイクルや、生活の中に何があって何が無いのか、
家族の愛などとても学ぶことが多かったです。
 
 
今そのお世話になったエディターのケイトとメールのやり取りをしているのですが、
 
私は飛行機の関係で急遽イギリスを発つことが決まってしまって、お父さんのジョーには挨拶が出来たものの、ケイトと5歳のカシアス君と2歳のアーロー君にさよならを言えませんでした。それが今でも本当にショックで、でも二人の元気な写真がケイトから送られてきて、今とても幸せを感じています。
 
最初は二人となかなか上手くコミュニケーションがとれませんでしたが、
次第にカシアス君はお気に入りの物差しを見せてくれるようになったり、学校に行く前にハグをしてくれたり、おもちゃの電車やレゴや、とても上手に作って見せてくれるのでとても嬉しかったです。
 
アーロー君の方は一緒にカラフルな粘土で色んな動物を作ったり、絵を描くのが本当に上手で
家族一同、カタツムリという単語をとても気に入ってくれました。
 
玄関のドアを開けると膝のところにアーロー君が走って抱きついてくれた時は何というのか今までに感じたことのないような気持にさせてくれました。
本当に彼らから今までに知らなかった感情をたくさん教えて貰って、ケイトとジョーの子供たちに対する愛情や、何を大切にしているのか
 
これは私にとって本当に勉強になりました。
 
 

 
 
 
 


2014年3月7日金曜日

雨処ニ寄リ晴レ

今日は晴れていてとても嬉しいです。
 
 
太陽の光を浴びないと時差ボケが緩和されないので最近は一日が何時間かも分らないくらいに変な時間に物凄く活力が湧いて来たり、しかし日本時間のその時間に活力が湧いたところでその矛先に困っていました。
 
 
時差にどうも弱いようで、向うに着いてすぐエージェントに挨拶に行ったらば
 
「ヒロミに英語の先生を呼んだわ」
 
と言って下さるので、すぐその日にレッスンが始まり
イギリス人が他の国の人にどのように英語を教えるのかとても興味がありました。しかし思っていたのも数分で、普段本当に使わない脳の一部を使ったからなのか時差ボケからなのか、レッスンが終わった後、目に見えるほどゲッソリしていました。
 
内容としては良く似た熟語や単語をシチュエーション別に穴埋めする作業で、日本の英語の授業に比べると難しさの畑が違う感じでした。似通った意味を持つ熟語や単語を日常起こり得るシュチエーションに合わせて、適切な言葉を選ぶと言うことは日本にいるとなかなか体験できないことなので、英語の環境にいないと学べないことだなと思いました。
 
 
そしてスザンヌ先生が最も情熱を持って私に表現してくれたのは
 
「absolutely」 でした。
 
先生はabsolutelyを伝えるパッションを身体全体で表現してくれて
「さぁヒロミも一緒に!」
 
と、私の顔色の青さは最高潮でしたが、この単語のパッションは一生忘れないと思います。
 
 
 


2014年3月5日水曜日

街と雨

 
 
 
 
今日はとてもたくさんの雨が降りましたね。
 
一日の唯一の楽しみである体育の時間に
黒板に大きく『自習』と書かれた文字を見ると、学習机に暫くひれ伏す状態が続くほど昔はガッカリしたものですが、今回ロンドンでこれでもかと言うくらい雨に見舞われたので、雨の楽しみ方を少し知ることが出来ました。
 
ロンドンは本当に聞いていた通り一日に一回は雨が降らないと気が済まないようで
 
夜の東京の雨の滴の状態というのと遠くから降って来てくれたのだなというのが分かるのは
それぞれが地面に落ちた時のジャンプ力にもあって、車のヘッドライトに照らされた各々の強さが格好良いなと思うのです。
 
それは東京の車同士の間合いの取り方や、いかに雨がジャンプするのに平等に用意されている舗装された道路によるものなのかなぁと思いました。
 
そしてロンドンの雨の日の夜に見たものは雨によって濡れた石畳の道が
それに沿った店の明かりを反射し、雨の日の方が断然に明るい夜を感じられました。
 
一方お昼に見た雨の、太陽への譲り方がマントを翻すようにとても潔くて、
滞在していた窓から見える大きな木にはこの時期まだ葉っぱが無かったので
鋭く四方八方に伸びる枝に留まった滴が太陽に照らされて珊瑚の産卵のように見えたのがとても眩しく美しかったです。
 



 
 
 
 
 
 
 


2014年3月1日土曜日

2014年の始まり

 
 
とてもとてもお久しぶりになってしまいました。
 
右の11月(4)、12月の(5)と新しいブログを始めてからよしよし順調だぞと思っていたのも本当に束の間でした。なんとも、明けましておめでというございますと桃の節句間近に言うのもとんだ失礼ではありますが、2014年が始まりましたね。
 
私は年明け早々にロンドンに少し修行の旅に出ておりました。
異国の地で生活すると言うのはなかなかのドキドキでしたが、今までに見たことのない光景をたくさん見て感じました。
 
色々に悔しい思いも、これまたこんなに美しい人が存在するのかという衝撃も全てが自分の中に沁みました。自分の持ち物に絵具のカラーが増えたような感じです。
 
それと同時になんだかこれから人生が格段に楽しくなりそうな気がします。
 
 
マイペースな時分少々の衰弱はありますがジェットラグ以外はとても元気で
昨日日本に帰って、肌に触れてくれる軟水の滑らかさと自分のベッドの温かさにこんなにも幸せを感じたことはないくらい感動しました。
 
空白の1月2月を取り戻すかのように、これからロンドンで学んだことや感じたことを忘れないように、ここに記していけたらいいなぁと思っています。しばしのお付き合いをよろしくお願いします。
 
何はともあれ今はとてもハッピーなのです。
2014年もどうぞよろしくお願いします。