2014年4月30日水曜日

4月の終わりに

 
先程ロサンゼルスの旋風娘がロスに帰って行きました。彼女と過ごした一週間がこの四月を纏め上げてくれました。2014年が始まって、3月まで頭の中がフル稼働だったので、4月は自分の中から出て色んな世界を見てきました。
 
古くからの友人に会ってみたり、大学時代の教授に会ったり、バスケ時代に憧れであった先輩に10年ぶりに会ったり、友人の結婚式に参列したり、締めがこの旋風娘との出会いでした。
 
色んな軌跡を辿って、目の前の人や物事を通して今を見てみるとまた色んな事が分かりました。
この四月は春日山から出て人間界をとても見たと言う感じです。
 
ロサンゼルスの旋風娘はこの一週間で日本でやるべき全てと得るべき全てを得てロスに帰って行きました。
飛行機や自分より遥かに早い乗り物に乗れば、その距離を自分の足だと幾年かかるや分らないところを物凄い時間の巻き戻しをしてくれるので、色んなことが人生の時間調節になって、それぞれのタイミングですべき時にそれを全力でするのです。
 
そんな彼女と別れた今はまた芭蕉心が蘇り、自分の心がまた何かの訪れを感じているのです。
 

 
 

2014年4月28日月曜日

満塁ホームラン

 
昨日はとても素敵な結婚式に参列してきました。
 
この涙の正体は一体何なんだと言うくらいホロホロホロホロ勝手に涙が出てきて、新婦のお父様がバージンロードで娘を手放す時のあの背中の最後の一押しの手がたまりませんでした。
新郎は新婦をとても可愛くさせる魔法を持っていて、新婦は新郎を強くさせるパワーを持っていました。夫婦とはやはり二つで一つなのだと思いました。
 
彼女は出会った時からとても笑顔が素敵で、昨日共に撮った写真を見返していると、今までに見たことも無いような笑顔の自分が写っているのに驚き、彼女はずっと私をいつもこんな笑顔にさせてくれていたのだなぁと思いました。そしてその彼女の素晴らしい笑顔をつくって下さった御家族や御友人様に昨日はお会い出来て、全てが幸せで終わりました。
 
こんなにも心が勝手に想える友人が東京に出てから出来ると思っていなかったので私は本当に幸せです。
 
そしてその友人の背面ブーケトスで私はその場から一ミリも動くことは無かったのですが、手の中にブーケが舞い降りてきてくれた時は、何だか中学時代ソフトボール部に所属していた時にバッターボックスでボールがスローモーションに見えたことがあって、その時のようにブーケがスローモーションに見えました。

 

2014年4月25日金曜日

相対

 
昨日、ロサンゼルスから帰ってきた友人と
海外で過ごした時間と日本で過ごす時間についての話をしました。
 
イギリスで英語がままならなかった私の耳は常に全力を尽くしてくれている状態で、音にとても敏感になっていました。音がダメなら目に見える範囲で何か察知しようとしたり、普段働かせていた部分が日常から違っているからか、初めて感じた事が非常に多く、それを毎日少しずつノートに書き留めていました。
 
日本と同じ時間が用意されているはずなのに時間の使い方も自分の内なるものに耳を傾ける時間が非常に多かったので、頭の中に浮かんでくる言葉に対して式を少し上手く並べられるようになって、自分なりの解を何かしら導き出せるようになった気がします。
 
日本にいると何も考えなくても人が話していることが耳に入ってきて
情報がとても多くて、あれをしようかこれをしようかとそのものに対し本当の自分の本意に基づいているのかの判断にすら辿りついていなかったけれど
イギリスにはモデルとして行っているという確固たるものもあったので、仕事も日常も自分の中に取り込めるものを集中して取りこんだような気がします。
 
そうすると何が好きなのか、どうすればどうなのかと少しは自分の内側に耳を傾けるのが上手になったというのでしょうか、そうなると体に何かしらの反応が出ても、そのことに対して感謝ができるようになり、感じたこと全てが身体に反映されて、それもまた感謝の気持ちに変わりました。

イギリスで思い切りが良いほどに体調を崩してしまい、そのお陰で生きて行く上でとても大事な食の面と、”自分を知る”という表現者としてとても大事なことを学び、究極はこんなことになるのかという自分の弱さも知り、こんなことでくたばってたまるかという自分の強さも同時に知りました。

そして何より今回仕事を通じて、本当に悔しいと心から湧き立つ情念というのでしょうか、この気持は部活以来で、それを感じられたというのは、大袈裟かも知れませんがそれが今の自分にとって全てであり、自分を担保にして挑む事柄であると改めて感じました。悔しいからやる。のだと。

その気持があったからこそ、美しいものを美しいと感じることが出来たのかも知れません。

 
 
 
 
 

2014年4月16日水曜日

日本橋兜町8


いつもどちらかと言えば体は冷たい方なのですが、今日の西日は一段と温かく感じられました。
 
私はとても大切なことを思い出しました。
 
 
 
日研総業 「モノづくりニッポン e仕事×ReVALUE NIPPON」
監督 伊東玄己  撮影 操上和美  
 
 


2014年4月14日月曜日

隣はsainsbury

 
「ケイト、私はここへ来る前演技のレッスンに通っていたんだ。
ある舞台のオーディションを受けたのがきっかけで、
なぜだか分らない。でも自分の細胞がとても輝くような気がして、
やったことも無いし、でもその監督となら何かとても人の心に触れられるものを作れるんじゃないかってそう思ったんだ」
 
ファッションウィークが終了したその夜に、私はケイトにイギリスに来た理由を少し話した。
 
私が最初にイギリスの地に降り立ったのは監督がこの世を去ってしまった2週間後のことだった。
 
ショックのあまりすっかり意気消沈してしまった私は
「もうイギリスに行って何もなかったらモデル辞めます」
とだけを事務所の社長に残し
日本を発った。
 
小さなキャリーバックと地球の歩き方と調べておいたイギリスのモデルエージェンシーのリストだけを持ち、無事にイギリスに着いたは良いが何のアポイントメントも無しに地図だけを頼りに調べたエージェントのいくつかの周りをグルグルウロウロするばかりで一向にノックをすることが出来なかった。
 
とうとうイギリスの街中にあるベンチに座って
私はイギリスに来てまで何をやっているんだと静かに監督のレッスン中の言葉や先生たちの言葉を思い返していた。
 
何をこんなにビビってグズグズしているのか。何をやっとるんだと。
時間は15時半になろうとしていた。ほとんどの事務所のオープンコール(モデルが事務所を自由に訪れて良い時間)が16時までであった。
私は地球の歩き方を捲り、ここから一番近い事務所はどこだと一目散に向かった。
足早に足早に。
ここだと飛び込んだ先は今なら分るがsainsburyというスーパーマーケットだった。
キョロキョロキョロキョロキョロキョロ
 
事務所はsainsburyの隣であった。
たまたま事務所の前で煙草を吸っていたヘッドブッカーがその一部始終というか全始終を見ていた。
ブックを持った黒髪ロングヘアのアジア人が勢いよく事務所をスルーし、sainsburyに入って大きな何かを探しているのだ。
「うちの事務所を探しているんじゃないのか?」
 
私は失礼ながらにも「あなたは事務所の人ですか?」と尋ねた。
クスッと(笑ったように見えた)隣の2階の事務所に連れて行ってくれた。
彼女にブックを渡し、一人目のブッカーと面接
昔習った英語を引っ張り出し、何を言ったか覚えていないが、
コレクションに出たい。世界を回りたい。
と今伝えられることを全部伝えた気がする。
そして次、次、次と合計4人のブッカーと面接をし、所属が決まったのだ。
嘘かと思った。
「急いで通り過ぎてスーパーマーケットの中で道に迷っている姿が本当におかしかった」
と多分そう言っていた。
 
言葉が通じないから伝えなければいけないことがあった。私はヘッドブッカーに約束をした。
 
まだまだまだまだ
 
 
 
 
 


2014年4月9日水曜日

祝い

 
今日はとても素敵な一日を過ごしました。
 
日本に居る間にあれをしようこれしようと色んな事に興味を抱くようになって、
今までやったことが無かったことをやってみたり、食べ物の面では本当に好き嫌いが無くなりました。
今までちょっとのコーヒーも飲めずにいたのですが、イギリス滞在中にお父さんのジョーが淹れてくれた朝のコーヒーがとても美味しくて、日本に帰ってきてからもコーヒーのメニュー蘭を見るようになったり、
今まで美味しく飲めずにいたワインも過酷なファッションウィークの終了後に
お母さんのケイトと、なぜ今自分がイギリスに辿り着いたのかという話をして
それが一生忘れることのない味になりました。
 
食の大切さと同時に食の楽しみ方も知ることが出来ました。
 
 
そして今日は関水結花氏の生まれた日ともあってディズニーランドに初めて行きました。
matohu 2014ss 『尽くし』 backstageより 祝い右から2つ
 
二人にも驚かれたのですが最後の夜のパレードを見た頃にはもうディズニーありがとう!という気持でいっぱいになりました。
たくさんのショーや乗り物にも乗って、いつも関水氏の優しさは菩提樹のようだと思っていたのですが、フィルハーマジックで見たミッキーのドナルドに対する優しさがとても彼女の優しさに似ていたので、「今日からミッキー」と静かに心の中で思いました。
 
アトラクションについては飛行機や新幹線以外に自分のペースよりも遥かに速くて体感する乗り物は久々だったのでなるほどと思う事も多く
もう一つはトイストーリーの中に出てくる三つ目の黄緑色のキャラクターが
ウィンクをしている壁画があって、三つ目のうち二つを瞑ってウインクを成立させていることに、これも大きななるほどとなりました。

 
 
 
 
 


2014年4月1日火曜日

4月初め

 
 
日本に帰ってきて、目に入るもの何もかもが真新しく感じ
その感動や感覚に任せて行動したのが三月でした。
かっぱ橋に最初に訪れ、最後は自分の故郷に帰り
原点にも立ち返ることが出来ました。
 
勿論その間、東京の街を歩き、歩き、歩き廻りました。
まだまだ足りません。知りたいことがいっぱいです。
 
それと同時に今までは、休みの日は何をしていますかという質問に
本を読んだりジムに行ったりと平凡な回答しか出来ませんでしたが
今回のイギリスで食の大切さを改めて感じた
というより身を持って痛感したので
毎日出汁を取ることから一日を初めていました。
 
随分と前に、撮影隊でご飯に行ったときに
スタイリストさんがメニューを見ればその店の愛を知ると言い
フォトグラファーさんは良い仕事は良い食事からと言いました。
 
当時住んでいた街の古本屋のおじさんは人を良くすると書いて食である
と言っていました。
 
全ての基本でした。