2018年3月15日木曜日

生きるよろこび

昨日急に思い立って熊谷守一さんの絵を観に行きました。


大変失礼ながら熊谷さんのことを存じ上げていなかったのですが、この一枚の絵を見てからずっと気になっていました。

「熊谷守一 生きるよろこび」

観て行くうちにどんどん湧き出る心の中のどこか、優しい気持ちが反応して泣けてきそうになりました。「私、生きるよろこびってこういうことだと思う」って思いました。

植物や動物の絵、熊谷さんの心でそれらを見ている、それだけじゃなくて、女性を美しく描いているその心も感じられて

5月に「モリのいる場所」という熊谷さんの晩年の夏の一日を描いた、映画が公開されるそうです。その公開にあたってミセス4月号に写真家の藤森武さんの熊谷さんとのお付き合いの中で感じられたお言葉があって、
「大自然に対する敬意」という言葉が使われているのですが、頭が下がる思いでした。

昨日は自分が生まれ育った奈良の小学校までの通学路を思い出しながら、この季節のにおいと風を長いこと感じていました。

2018年3月13日火曜日

JUN MIKAMI の純さん

先週JUN MIKAMIの2018-2019AWの撮影をしてきました。

毎シーズン毎シーズン、チームの皆さんの熱の籠った現場がとても素晴らしいです。撮影は半年に一回だけれど皆それぞれに半年間別の所で色んなものを吸収して、また集まって、ディスカッションをしながら服の美しい所を見つけていく作業をしました。
最近また服に対する見方が変わって、それは現場現場で皆さんにたくさんの技術を教えて頂くからなのですが、お仕事の一つの醍醐味はデザイナーさんに直接お会いできるということです。「この方が作っている」ということ、その方の考えや想いを間近で感じられたり聞く事ができます。その方のお洋服を纏ってみると、デザイナーさんのメッセージが色々隠されていたり、着る人のことを物凄く考えて作られているという懐に気が付きます。


このブログによく登場する「純さん」とはJUNMIKAMIさんのことなのですが、初めてJUNさんのニットを着て撮影をしたのは6〜7年前でした。

2012年



2013年


2014年


2015年


2016AW
今までイメージカットだけの撮影だったのがこの日を境に
ルックの撮影になりました。


2017SS


2017AW
このシーズンからスタイリングにDemiちゃんが入っています。

2018SS


長年の試行錯誤とトライを続けて色んな方々が知って下さるようになって、私は純さんの色々なセンスを尊敬しています。公私ともに教えて頂く事ばかりです。私もこの6〜7年間は色々思い悩む事もあって、その度に「こういうのはどう?」といつも教えて下さったり、お腹がすいている時は、「美味しい担々麺ができたの。紘未ちゃんに食べてもらいたくって」と、本当にさりげない色々な優しさを私は純さんから頂きました。
こういうお仕事をしているもので、お洋服を通して世の中の女性に「youは美しい」ともっと知って欲しいというか、美しく見えるところを美しく見えるようにさりげない優しさがお洋服にはいつも隠されています。
純さんは私にお洒落を楽しむ事やお洒落のトライを教えてくれた方の一人です。

2018-2019AWの撮影を終えて、今の気持ちとしては、「JUNMIKAMIファンを驚かせたい」という気持ちです笑
いつも撮影が終わったらとっても長い文書を純さんから頂くのですが、私の方が本当にいつも感謝の気持ちでいっぱいで、皆とお洋服の事を考えながら一日中撮影をしている時間は私にとっては最高の時間です。

2018年3月6日火曜日

手みやげ

クロワッサン No 968



ph 中川さん
styling 木俣さん
H&M 林さん


クロワッサンを読んでいて
「手みやげをひとつ」というページの「中津菓子 かねい」さんのくるみ最中
贈った相手からの再リクエストが絶えない、上品な銘菓だそうな。



昔、ある舞台を観に行った時、楽屋の方へ一言ご挨拶に伺って、出演されていた女優の方から小さなお手製の布袋に入った美味しいクッキーを頂いた事があります。あまりの気さくさとオーラに圧倒されながら熱い気持ちでそのクッキーを持ち帰り、毎日一枚ずつ大切に食べました。
その時「いつか舞台、ご一緒しましょうね」と言って下さって、その時の気持ちは一生忘れないと今でも目に見える所に頂いたその方のお手製の布袋を飾っています。
私も舞台に出た時には観に来て下さった方に何か、といつも手土産を探しています。ここ最近は、人形町にある寿堂さんの黄金芋を持って帰って頂くのですが、色んな手土産を知っておくのは大事だなと思って見ていました。


クロワッサンのファッションページに携わるようになってからクロワッサンを読むようになりました。クロワッサンの中に暮らしの多種多様ののコンテンツがあって、日常生活の延長でとても勉強になることがたくさんあります。

2018年3月2日金曜日

1番右折

遂に車の免許を取得しました。

昨年GQの撮影で初めて車と一緒に撮影をしたのですが、その時に携わっている方々が人生をとても楽しんでいるように見えて、「イケてる大人達の嗜み」を見たような気がして私も免許を取ろうと思いました。

自動車学校所内のコースは、8番とか13番のS字カーブとか色々番号が振り分けられていて、第一段階の試験の時に、ビックリするくらいの遅いスピードで走っていたら隣に座って下さっている教官の方に
「そのカーブを曲がったら元気よく行きましょう。一番右折で」
と言われたので元気よく
「一番右折!」と車内に響き渡る声で言ったら、シーンと静まり返った車内の静寂さに耐えられなくなって無事にアクセルを踏みました。

第二段階に進み、今まで所内という網の中にいたのにサクッと大海原に放り込まれた感じで路上に出ました。
そしていつの間にやら運転が出来るようになって、卒業検定でのコースが覚えられないので、そのコースをチャリンコで走り、色々と地図に書き込みました。卒業検定を迎える頃にはどのコースの何を書いてあるか分からないくらいの地図になっていましたが、卒検で初めて起きることもありながら無事に卒業ができました。

免許を取得した昨日と一昨日で自分の中のマインドは何も変わっていないのですが、急に車を運転出来るという称号を頂いたような感覚でまだ実感はないです。