2020年11月20日金曜日

お洋服の先の

日々変化を感じています。

生後1ヶ月半 が過ぎて、最近は夜7時間ほど寝るようになって、寝不足も解消されてきました。

そんな中、仕事も始まって、今の時期は春夏の撮影なので、体型の心配もありましたが、なんとか2日間終えることができました。

妊娠中から数えると、4か月ぶりの仕事でしたが、また新たに感じることも違うだろうと、やはりお洋服って着るとデザインをした人を感じられて、とても面白いです。

服を着ていくうちにたくさん質問も浮かんで、デザイナーさんから色々教えていただくと、デザインをしていく背景から実際に着る人が出会うことってやっぱり凄いことなんだって思いました。

お家では赤ちゃんの様子を一日中見ているので自分の時間はないけれど、そんな毎日があるからこそお洋服を着ると、新たに感じられることがあって、もっともっとお洋服の先にある「人」に興味が湧いてきました。

2020年11月15日日曜日

誕生日

 11月11日という日に産まれて、有り難いことにとても覚えやすいことから、ずっと覚えてて貰える。

「おめでとう」と言われることが昔からどこか毛恥ずかしくて

でも、自分が子供を産んで思ったのは、誕生日はとてもスペシャルな日。

だからたくさんの人におめでとうって言ってもらって良いのだと思った。




2020年11月10日火曜日

1ヶ月

 テレビを見る時間もなく、久しぶりに見た番組が女優の小雪さんと映画監督の河瀬直美さんの対談だった。

基本「母として」というのが常にあっての対談だったが、小雪さんは三児の母で「プライオリティは家族」

そして河瀬監督は「初めて我が子を胸に抱いてお風呂に入ったときに守るべきものであり、同時にこの子に守られているんだなと思った」というのがそれぞれに私には印象的だった。

夜泣きが毎日凄いのですが、つい昨日、1ヶ月の付き合いでなんとなく考察した結果、モロー反射が凄くて寝たいのに寝れないんだろうなと思った。

泣きわめく我が子を斜めがけのスリングに入れて部屋中をウロウロ。そして私も睡魔の限界が訪れ、何度も寝たかなと思いながらまた起きるのが辛くてスリングに入れたまま苦しくないように自分の胸の中に包み込むように横になっていた。

この1ヶ月、産まれたら母乳が出るものだと思い込んでいたことと、母性というものが溢れると思っていたけれど母乳は最初全然出なくて、人々がネット上で「全然出ない」と言いつつも20ccレベルとは違って、出ても一滴とかだった。

母性というものに関しても、母性とは。。はて?みたいなものだったのが漸く昨日、胸に包み込んで胸元から聞こえる寝息を聞きながら寝たときはいとおしさを感じて、これを最初の母性ということにしました。


有限

1日1日がとてもかけがえのない時間である。

今までは自分の行動だけだったのが今は赤ちゃんの様子を伺っていることが時間の中心になって、その間に自分に起きることがかけがえのない時間になっている。

友達からの連絡や久しぶりの人からの連絡。それをそのままに受け取って少しの時間行動に移してみる。そうすると数珠繋ぎのように次々に起きることがある。

時間がない分、いつものルーティーンは2倍速になり、万年寝不足のお陰でだらだらと寝る前の携帯をいじくったりする時間もなくなった。

そうすると今やりたいことや会いたい人やしたいこと、目の前のものに対することが非常にシンプルに見えて、どんどん自分に返っていく。

そして本当に会いたい人に会える。

色んな毎日がやって来るとあれもこれもと取捨選択できるのは有り難いけれど、一番はシンプルに自分の中を知れることや、好きなこと好きな人、好きなものが改めて分かることに幸せを感じる。

時間ってあるようでなかった。 

2020年11月9日月曜日

真夜中のイルカ

 夜中に起きていることが多いので、今もキューキューとイルカの鳴き声のような声を出している赤ちゃんをスリングに入れてソファーに座っています。

妊娠中から三時間おきに目が覚めていて、今もなお継続中ですが、私自身夜行性ではないので夜中がそんなに得意ではありません。

でもこうやって起きているお母さんがどこかにもいるのだと思うとあの家もこの家も小さな光がついているのは赤ちゃんがいるのかなと想像しています。

2020年11月4日水曜日

ほうじ茶母さん

 1ヶ月が経ったので少しずつ赤ちゃんとのお出掛けを練習しています。

毎日これって何だろう、どうやるんだろうと疑問が出てくるのですが、赤ちゃんを抱いて町を歩いていると色んな人が声をかけて下さいます。

いつも買っているほうじ茶のおばちゃんと今まではただの客としてほうじ茶の話しかしなかったのに、1ヶ月経った赤ちゃんと一緒にお風呂に入るのはどうすれば良いかと聞いてみました。

おばちゃんの子育て経験で、37~38度おばちゃんにとっては少しぬるめの少ないお湯を浴槽にはって、赤ちゃんを落とさないように自分と赤ちゃんを包む布を身体に巻いて入っていたと教えて下さいました。

毎日の沐浴で、もう木浴槽が狭くなってきていたのでどうしたら良いのかと思っていたら、ほうじ茶のおばちゃんの格好をしたお母さんが教えてくれました。

2020年11月2日月曜日

哺乳

 慌ただしく、いや、いつの間にか1ヶ月が経っていました。

世の中のお母さんがこんなことをしていただなんて私は本当に知らなかったです。こんなことを思うと、今目の前にいる人や道ですれ違った人みんなが昔は赤ちゃんだったんだと思うと一人一人がとても尊い存在だなと思いました。

この1ヶ月振り替えればいろんな事があり、あまりにも手探りで、ご様子ばかりを伺っていました。色々な発見が日々ありながら、成人並みのオナラをする赤子に耳を疑いました。尻を疑った方が良いのか。

おっぱいの神秘と題してまず一つ目に驚いたことは、産んで間もなく助産師さんが胸元に赤ちゃんを持ってきて下さるのですが、その時に赤ちゃんがおっぱいをいきなり吸ったことでした。

世の中に出て来て数十分、既におっぱいを吸うという自分の生命維持を知っていることに、当たり前に備わっているものなのかも知れないけど、なんというか「哺乳動物」と思いました。

2020年10月21日水曜日

 授乳のサイクルも出来てきて、夜中と朝方はピタリと同じ時間に泣いて起こしてくれるので、自分の睡眠も日中の時間もとれるようになってきました。

最初の二週間は急激なホルモンバランスの変化なのか、身体のあちこちに支障が出て、病院嫌いの私もあらゆる科に行くことになりました。

それほど出産って大変なんだなぁと、そして出産したらあれを食べよう、これを食べようって色々思っていたのに、これまた不思議なことに自分の口に入れるものが変わりました。野性の感というものなんでしょうか、母乳に影響するものに対してなのかそれが反応しているのかな。

妊娠してから友人に「色々な神秘を楽しんで」と言われましたが、今は専らおっぱいの神秘に魅了されています。

おっぱいの話になると少々長くなるので、またいつか詳しく話したいと思いますが、妊娠してから一番最初に身体に変化を感じたのがおっぱいでした。

誰のためでもなかったものが誰かのためになっているという。それが一番最初のおっぱいの神秘でした。


2020年10月12日月曜日

 おっぱいは一日にしてならず。


てんやわんやしながら退院して1週間が過ぎました。

少しずつ慣れたところもあり、

未だに??のところもあり

このサイトを教えて頂いたので

今日からはこれを実践していこうと思います。


2020年10月7日水曜日

無事に

 9/30 朝8時8分に無事に女児を出産しました。

色々と心配してくださった方、励ましのメッセージを下さった方々、本当にありがとうございました。

「無事」ということがこれだけ有効な時を感じて、出産直後は放心状態だったのですが、赤ちゃんが胸にやって来たときに、静かに何の感情もなく涙が流れました。

「尊い」とはこういうこと言うのかなと思いました。

昨日退院して、いつのまにやら秋の香りが。この子にとってはこれが初めての風なんですね。

2020年9月18日金曜日

ギュッとした10ヶ月

 妊娠中の食事について友人と話していました。

よく聞くのがマクドナルドのフライドポテトを無性に食べたくなるという話。私は無かったけれど妊娠初期の辛いつわりの時に何か仕事に行く前に口にいれた方が良いと食べられたのが、チキンラーメンの半分でした。

チキンラーメン何年ぶりだろうと、何を食べてももどしてしまっていたのが、スーパーに行って一つ一つ棚を見ては自分が今何を手に取るか観察して、これならと取ったものでした。

あとは塩むすびを常備して、バナナが良いということも聞いたので、バナナ元々好きではないのですが、買って持っていっていました。あとは少しドロッとしたヨーグルト系の飲み物。

いったい自分は何が食べれるんだろうと、毎日変わる食に忠実に応えてみることにしていました。

プチトマトをちょこちょこ食べる日もあれば、コーンフレーク、特にここのものが軽くて私には食べやすかったです。

たこ焼きも食べたい気持ちになったり、なぜかギュッとしたものが食べたくて、カニクリームコロッケとかメンチカツとか唐揚げも食べていたように思います。

お医者様から食べ物に気を付けるよう言われてからは、それが気になって、お寿司も焼肉もチーズ関連のものも気を付けているとまぁまぁ食べられるもののルーティーンも決まってきたり、外食だと案外安心して食べていられたのは中華料理でした。

ケーキとかも好きだったはずなのに全然食べたいと思わなくなって、その代わり焼き菓子とかクッキーとかはギュッとしているものは、何だか胃酸を蓋するという感じなのかそういうものは食べ納めたい気持ちになっていました。

こんなに人生でギュッとしたものを食べた10ヶ月もないなぁと思って、でも美味しい焼き菓子を見つけるのは最近の楽しみでもありました。

2020年9月16日水曜日

 いよいよ産まれるのかなぁと臨月になってから毎週の変化を感じています。

赤ちゃんがおりてきて胎動が少し落ち着くと聞いていたので、2日前くらいからボッコンボッコンとお腹の形も変わるほどの胎動だったのがムニムニムニという動きに変わっていきました。

とにかく動いた方が良いと聞いたので、夜は川沿いを歩き、体力と筋力は元々あるはずなのですが本当息苦しくて。10ヶ月も妊婦生活をしていると元々がどうだったっけなというようにもなって、人って凄いなと思うのが最初の変化には戸惑いつつもそれに慣れるというか、適応していく力が凄いなって。

今はあと1ヶ月という感覚ではなく、いよいよ感だと、何かやっておくことと考えるよりは「待ち」の状態な気がして、汚れていない床の拭き掃除をしたり、毎日何かしら洗濯できるものを探したり、お洋服もだいぶ整理したのにまた整理したり。

今の楽しみは、制限されていた食事のことを考えることで、お寿司にピザにチーズケーキに温かい抹茶ラテ。

お酒は元々そんなに飲まないけれど、こういうことがあるんだったら、もっと楽しめる人生の方がいいなって思えました。


2020年9月13日日曜日

巻き貝

 コロナ期間の延長先でこの一年はずっと本を読んでいたようにも思う。あらゆる料理本に暮らしの本、ちょっと経済の話に、小説、エッセイ。

中でもその人の人生が書かれているものが好きなんだと思う。本を読むのがそこまで早くないし、あの膨大な量の字数を読んだ先にある、誰かの書評が私には最後の最後最大のご褒美である。

コロナ期間中に「ブックカバーチャレンジ」という7日間毎日お勧めの本を一冊インスタグラムに載せていくというリレーがあった。そのお陰で随分と読んでみたいと思う本があった。

色んな人が紹介をしていた西加奈子さんの「サラバ!」

文庫本で上中下とまぁまぁな長さだったが、文章も難しくなく一気に読めた。その最後にやってきた又吉さんの書評が、私にはとても分かりやすかった。

「本が読める人はこう読むんだ」と。

舞台も映画も本もなんとなく見て感じるものも大切だけど、その先に「今のシーンはこういうこと」とか分かったり考察できた方が断然ヒトコマヒトコマを無駄にしない気がする。

だけど私にはまだそこまで読み取れる力もなく、こう読むんだというのを少しずつ知るということが大切なようだった。

サラバ!を読んで個人的なこととしては、読み終わったあと机に置いてあった「巻き貝」をなぜかオレンジ色に塗るという衝動に駆られ、見た目は心臓のようなものになった。

凄いオレンジなので、しばしその時期にファッションサイトを見ていたこともあって、オレンジをベースに最後は茶色と緑を加えて、こういうカラー巻き貝になった。

yooxというサイトからお写真載せさせて頂いています。色んな方がお勧めしてくださったのでお時間ございましたら、コーディネートの勉強にもなりますし、少々安く海外のお洋服が購入できます。世の中にはこんなにたくさん素敵なお洋服があったんだ!って私は思ったのでご興味のある方は是非覗いてみてください

私はお洋服は dries van noten が好きです(上画像のお洋服)。色の使い方が秀逸で、こういうブランドが世の中に存在しているという美しさに喜びを感じます。

2020年9月11日金曜日

美しい世界

 そして私はこれまで仕事がすべてで、仕事が軸になってその回りのものを吸収していたんだと思います。

何年か前に、ある人に「全部仕事に役立つからこれをしよう」みたいな考え方をやめた方が良いと言われたことがあって、それは私にはとても難しいことでした。

ただ本当に自分が心底楽しめることだけっていうのがあんまりよく分からず、趣味をなく、だけど今漸く少しですが分かったような気がします。

だからブログにも書こうって思ったんだと思います。もう人生の半分くらいモデルのお仕事をさせてもらって、自分の写真の変わる瞬間というのを見てきました。

それは自分の人生の中で大きな出来事があった時です。海外に体当たりで挑戦することや、その時の自分の限界を知ること、うちひしがれること、また這い上がること、初舞台への挑戦と、様々な表情を見せてくれたなぁと思っています。普段から仕事をしていると自分自身代わり映えのない写真が続くことの方が多いです。

大きな挑戦をするのもうちひしがれるのも這い上がるのも物凄くエネルギーのいる作業です。このまま庵を広げて隠居生活でもしたいわと思うことだって多々ありました。

そんな中自分軸でやってきたこととは違う受け入れる体勢をとらなくてはいけなくなって、初めての経験と、いつになく写真が違う方に変わりました。大変なことを経験することも強さと弱さを知ることになるのですが、明らかに全てを受け入れている写真に変わっていきました。

もちろんファッションですからお洋服があるというのが大前提で、だけど最終的にいつも思うのは、写っている人の人生とお洋服が合わさる美しい瞬間というのがあるのです。

美しい瞬間なんです。

モデルとしてそこに立ってる以前に毎日を重ねてきたその人がそこに立っているんです。

そしてその時を今そこにいる人達と共有し、後々にその写真をみる人達と共有する時があるんです。

お腹に赤ちゃんがいるときの方がそれを深く深く感じました。

ファッションはこれから大変な時代になるかもしれませんが、そしてモデルのお仕事も今までとはまた少し違うだろうと思います。

だけどこの感覚を忘れずに、私には私にしか出来ないことをやっていけたら良いなと思います。

とても美しい世界

2020年9月10日木曜日

お洒落を楽しむ

 そんなこんなで、新しいブログの形態に慣れていないので小刻みに、そして多分これ左詰めかな。読み辛くないでしょうか?慣れるまでしばらくこの状態で申し訳ないのですが、進めていきます。

今思えば長かったようで短かった10ヶ月。食べ物にも制限があるし、でもあんまり制限に対して逆に楽しめるたちなので今しか出来ないことや今しか感じ得ないことを噛み締めながら過ごしていました。

もう妊娠後期というもので、今月が出産予定なのですが、毎日何をしようと掃除ばかりをしています。苦手だった料理もスピードが上がりました。本もたくさん読みました。漫画も貸してくださるものを読んだり、社会についてのNetflixや、今までにない過ごし方をしていました。

最後の方、お腹が大きくなるにつれてお洋服が着れなくなってきたらば、無性にお洋服が着たい欲が出て、全然ウィンドウショッピングってしなかったのに、そして試着がしたいだなんて一声も店員さんにかけられなかったのに、今まで自分がこういう服が実は好きだったんだと思うことが多々ありました。

ファッションサイトもたくさん見たり、インスタグラムでもストリートスナップを見たり、これからはもっと自分が何を着たいのか耳を傾けていきたいって思いました。

御仕事では与えられた服をいかにどう魅せるか、そしてデザイナーさんの意図を汲み取ったりするのですが、なにも考えずに好きだと思うことがどれだけ楽しいものであるか、とは言えまだよく分かっていないのですが、母になっていくからこそ、おしゃれを楽しみたいって思いました。

2020年9月9日水曜日

抜け

 そんなこんなできっと想像もつかないかも知れませんが、今お腹が大きいです。

とは言え、あまり目立たなかったこともあって、最近まで仕事をしていたように思います。

直接お会いできた方にはお伝えをしていたのですが、こんな時期も時期で。

ただ撮影でもたくさん配慮していただいて、撮影が終わったら「お疲れさまでした」と共に皆さんお腹の子にも「ありがとうね」と言ってくださって、一緒に撮影をしていました。

顔が変わったと母になるとやはりそうなのかなと思いながら、ただただ出来ないことも増えていき、それを受け入れて、できることはやって、できないことは任せようという頑張らない精神でいさせて頂きました。

あがってくるあがってくる写真を見ては社長も、変わったわね!と言って下さって、よく撮影で「抜け感」みたいなことを言われるんですけど、抜けるって凄く難しいことで、抜こうと努めることでもないし、恐らく今が一番抜けてると思います。

2020年9月8日火曜日

 なんということでしょう。久しぶりにブログを開けたら、形態が変わっていてうまく投稿できるのか分かりませんが書き始めています。

また間がだいぶ空いてしまいました。

恐らくこういうお話をするならば見出しに[ご報告]という言葉を書くのではないかと思います。

何から話せば良いのかと思いながら、なぜここに書こうと思ったかと、フッと朝思い立ちました。

先にお伝えすると、もうすぐこの世界に新しい命が誕生します。きっと???から、いつ結婚したんだろうと思う方もいらっしゃるや知れませんが、なんというか自分のことを話すのがそんなに得意ではなくて、というか極めて私事だなと思って、お伝えしていませんでした。

ではどうしてこのタイミングにと思うかも知れませんが、ずっと仕事をしてきて、初めて服が着れなくなっていく身体を10ヶ月を通して様子を見ながら少しずつ身体も中身も変化していく様をみていました。

10ヶ月、とてもとても長かったですが色々と受け入れることや、きっと母になっていくためには必要な時間だったんじゃないかと思います。

お伝えしたいことはたくさんあるのですが、一先ず大きなことを。

2020年7月12日日曜日

大勉強

大勉強 by PHAETON 創刊号 vol.1

日本全国からセンスの良い人達が集まるという、石川県小松市にあるPHAETONというお店に出会った。
店主の坂矢さんのモノに対する膨大な知識量に、お恥ずかしながら質問も浮かばないほどモノを知らない私だったが、今この歳になってお店に出会えたことはとても有り難かった。

おこがましくて「モノを見る眼」とは言えないけれど、「モノを見る意欲」をこの撮影で与えてもらった。


自分が何を着ているのかくらいは把握して着たいと思う。
純粋に好き!という感覚はとても大事であるし、
社会に対して向き合っているものを着ることでも一種の意思表示。

お店もブランド側もただ服を出すだけではなく、自分達の考えていることを世の中にちゃんと説明していることが増えた。その上で買う側は見た目が好きと共に更に取捨選択ができる。自分が何を「着る」のか。


全てが合致する服というのもなかなかに出会わないが、どれだけ納得した要素をもって服を着ているか、そして自分も知ろうとした服は簡単には捨てられない。自分自身でその服の価値を決めているから。


私は幸いにもデザイナーさんと直接お会いできることがあるのでデザイナーさんの思いや考えていることを聞くことができる。
そしてそれをしっかり捉えて責任を持って店頭で伝えているバイヤーさんがいらっしゃる。


服を着ることも大勉強が必要であることを毎回仕事をしてて痛感する。

何事も、いつもいつからでも
大勉強

2020年7月10日金曜日

朝の時間

朝の時間というのを大切にしている。

朝起きて何をするかはその日に決めれば良いのだが、最近は本を読む。5冊くらいを並行して読んでいると言うと、友人に驚かれる。
時間帯や天気や湿度によって読む本を変えるときもある。

一冊を途中で閉じるタイミングは、その本から何か情報を得て、行動に移ったときだ。
それを繰り返す。書き留めるでも良い、"気になる何か"を行動に移す。

そうすると朝から一日を整えられるような気がする。

2020年7月8日水曜日

習字

今年の初めから書道を習っている。
毎年年賀状の自分の字がどうにかならないものかと見て見ぬふりをそろそろやめようと思った。

硬筆希望で行った習字だったが、毛筆のスクールだった。
中学校のとき、習字の時間が好きではなく、真面目に真摯に書いた記憶などない。

そんなこんなで20年ぶりぐらいに筆をとったのだが、最初は何が何か分からず、今も何が何か分からない。

しかし質問が浮かぶようになった。
習い初めてすぐ、余白というものを気にするようになり、撮影でも組のときに相手が見えている場合、バランスをとることを考える自分がいた。

昨日は、「この一筆目の入筆の角度が分かりません」だの
水面がバシャバシャと動いて見えるような筆の箇所があって、無風の水面の私の筆を比べて
「ここでは何が起こっているんですか?」
とある種野次馬のような質問をした。

質問もド素人だけど、問いが生まれるようになって少しは楽しくなった。

2020年6月29日月曜日

一番のカレー

美味しいご飯やさんはたくさんある。

その時の自分の状態にも寄るけれど
あの時自分はこういう状況にいたからこそ、
忘れられない味になった。というのが誰しもあるんじゃないかと思う。

神保町の街に、人に60年愛され続けた
「キッチン南海」が先日、60年の幕を閉じた。
私はカレーだったらここが一番と思っていた。

初めて食べた時、食欲の不振が続いていた時で、外食は久しぶりだった。1ディッシュを食べられるような自信はなく、しかしご飯を少なめには頼まなかった。

出てきたときは見た目に圧倒され最後まで食せるかと不安に思ったけれど、パクパクパクパクスプーンが止まらなかった。カレーという名の刺激的なものも久しぶりだったし、自分がこんなに食べられるまで「復活していた」という自信にもなった。

心から美味しかった。
写真なんて撮ることも忘れ、綺麗に平らげた皿と、足早に破ったお箸の袋のあとが私の心情を表していた。

そんな60年続いたキッチン南海のインタビュー記事を見て、
世の中の麻雀ブームに乗って、麻雀をしながら片手で食べられるものとしてカレーが大ヒットしたとは知らなかった。

閉店と言えど、そこで30数年勤めあげた現料理長でもある甥っ子さんが、また新たに神保町にオープンする予定だそうだ。またあの味が食べられることを楽しみにしています。

2020年6月23日火曜日

最近は色んなことに興味をもつようになった。
あらゆる本を読むと深いところで違う分野も繋がっているように思える。

今に始まった話ではないけれど、最近仕事でも着る服は社会にどう向き合っているかということを着ることが多くなってきた。
世界で起きていることも、自分の身の回りからの情報も知りたいことが多くて、1日1日を勉強に使って12時に寝て朝6時前に起きる。

コロナの自粛生活が週間付けてくれたこと。
今世界で起きていることを今知りたくて緊急事態宣言の緩和後、また英語にも通い始めた。
考えや言いたいことがあるのに、すらすら出てこなくてディスカッションにもならない。
ずっと何年も同じような気持ちを繰り返して、見て見ぬふりしてきたことを徹底的に向き合ってみる。
英語英語英語

2020年6月15日月曜日

魚屋のワゴン車

月曜日と金曜日に魚屋さんの車がやってくる。
それが一週間のうちの楽しみで、そのおじちゃん(多分少しおじいちゃん寄り)と話すのも楽しみである。

魚のあれこれを教えてくれたり、
今まで食べた中で一番美味しかったさつま揚げをここで手に入れたよ。

今日は美味しそうなタコがあったのでそれをタコ飯にしようか刺身でいこうか、柔らかく煮るか考えています。

梅雨時々晴れ

雨が続いて雨の日にやること
そして何日かぶりに晴れると洗濯を干すのが楽しみになる。

明日が雨でも晴れでもいつもどちらでも良かったけれど、明日が雨だと想像する時間と晴れだと想像する時間がとても明日を待ち遠しくさせてくれることに気がついた。

2020年6月13日土曜日

読みたい本がたくさんある。勉強したいことがたくさんある。緊急事態宣言が解除されて何が嬉しかったって、図書館が予約のみの受付だけど開いたこと。

再開の前日はわくわくがとまらなかった。
読むことに追われているのがこんなに幸せだったのか。

2020年6月12日金曜日

自分の身の回りの情報と、それを観て更に知りたいことは何か。
気になっていることは何か、そこを掘り下げて、ただ一つの面からの情報だけでなく色んな側面を見ようと、まだ自分の言葉になっていない。情報を取り入れただけだ。


「13th」というドキュメンタリーを観たけれど自分の知らないことが多過ぎて、混乱とショックが大きかった。ただそれと同時に何に対してか分からないが燃えるような感情が湧いて凄い喋っていた。この感情を誰かにではなく、まず自分に問いた。



「When they see us」を観はじめて
容疑にかけられた少年のお父さんが、メディアの質問に対して「何も知らずに憶測でモノを言うな」というシーンがある。
自分が今まで色んな物事に対して憶測でモノを言っていたかということも含め反省した。いい加減、人が言っていた言葉を借りてきたように並べることもやめにしたいと誓った。


1つ観ては自分はどうなの?と自問をする機会になってしまっている。この件に関して自分の言葉になる日は来るのだろうか。

考えているうちに、言葉事態にも難しさを覚えて、英語で言っている言葉が日本語には表現しきれない言葉があるかも知れないと思った。
私が言葉を知らないだけかも知れないけれど、その言葉しかないが故にそれを使用して良いのかどうかも慎重になっている。
本当の意味を知る必要がある。

映画は何時間か観ていると絵からも情報として取り入れられるけれど、他の視点も得るために和訳された本と、英語の本とを読みたいと思う。
わからないこととそのもどかしさが
今はひたすら知るということを続けている。

2020年6月7日日曜日

ここ最近寝ても覚めても悶々とした日々を送っていた。ジョージ・フロイドさんの事件以来どうしても見て見ぬふり出来ない自分がいて、その自分との葛藤だったのかも知れない。

あらゆる記事と映画を観た。観やすいものもあれば自分の知らなさ故に驚きとショックを受けるものも多かった。まだまだ自分の言葉になるほどあらゆる方面からの情報や知識を得ていない。いつもならスラスラと書く鹿日記も止まりながら。「知らない」が故に、知らず知らずのうちに発する言葉が実は繊細な言葉だったということもあるのではないかと、1つ情報を入れれば自分の中を見る、と交互に繰り返している時なのだと思う。

自分の人生を思い返して必ず現れてくれる人達が居て、その人達は私が人生に迷ったとき、お腹がすいていたとき、人生の大きな扉を開くチャンスを与えてもらったとき、緊張で震えが止まらなかったとき、大きな愛情でハグをしてくれた。見ず知らずの私なんかにどうしてと思うこともあったけれど、一生忘れられない出来事だった。私も目の前の人を大切に想い、大きな愛情で抱きしめられるような人になりたい。
「知らない」がやはり一番恐い。このことに限らず、自分が興味がないからと知ろうとしなかったことはないか、勉強したいと思う。


2020年6月2日火曜日

サソリ


水瓶座のような壺を持っているけれど僕は蠍座です。
サソリについて
ユベール・リーブス著書「宇宙でいちばん美しい物語」のエピローグに
「人類が滅亡してもある種の生物が生き残る」

サソリだった。
根強い。いや根深いのか。🦂

2020年5月10日日曜日

思えば5月

5月になると一段と風のにおいも変わって窓を開けてソファに寝そべっているのがとても気持ちいい。
この一ヶ月で家は隅から隅までピカピカになり、要るものと要らないものが明確にはっきりした。
そして苦手な料理を頑張った一ヶ月、
まぁ皿が割れる割れる。
パリーンパリーンパリーンチョリーン
最後スプーン割れました。

自分にとって本当に大切なものは何か、そしていつもは仕事をしてファッション畑にいるからどうしてもファッションを追う毎日になってしまっていたけど、今や自分が本当に感動したものに目を向けることが多くなった。
よく分からないけど自分の心に立ち返ったのかと思う。なんだか懐かしい気持ちもこの1ヶ月思い出した。
新しいことを迎え入れるようなその準備をする一ヶ月だったような気がします。


2020年4月23日木曜日

カッパ

洗い物をするときにゴム手袋をするのだが、
最近新しくしたゴム手袋が何を思ってかLサイズを買ってしまった。

しばらく洗っていると手先が少し脱げかかって、タプタプになる。ゴム手袋が緑色ともあってカッパの手に見えてきて、可愛いから良いのだが洗いにくい。
カッパに傷が着くまではしばらくカッパですが、カッパに会ったことも無ければ、すいません。

2020年4月21日火曜日

玄米と野菜の気持ち

最近やっと玄米が美味しく炊けるようになってきて、米が進む。
以前とある撮影で食べたお弁当の玄米が美味しくて、絶賛していたら
「なにで玄米炊いてるの?」と
土鍋と答えた私に「玄米は圧力鍋が一番美味しいよ」とスタイリストさんが教えて下さった。
圧力鍋のメーカーまで教えて下さったのだが鍋を家に増やす収納もないので引き続き土鍋でやっていたのだが、最近ずっと傍で炊けるのを感じているからか気持ちが少しだけ通じ合ったのかも知れない。

野菜に関しても今が良いほころびじゃないかと思う瞬間に立ち会えて、なんとなく嬉しい。お洋服と一緒で対話をすれば通じ合える時があるんだと思った。
料理を仕事としている人はきっとこれがいつもなんだろうな。たくさんの色んな食材に対して一番輝かしい瞬間を知っているんだろうな。愛情たっぷりや。

手の甲

不馴れな料理を毎日していると手の甲を火傷した。心配とかそういうのじゃなくて、手の甲に火傷をすると毎日の経過が顕著で、もう治りかけである。植物の成長を見るように一日の中でも朝と夜とで全然違って、人間の治癒力って凄いんだなぁと染々感動している。

2020年4月20日月曜日

エビの剥き身

昨日は炊いた黒豆を3時に少し食べて
そのことが寝る前に思い起こされてとても嬉しかった。寝る前に嬉しいことを思い返すと今日一日に心からの感謝ができる。

そして朝健やかに目が覚めて、そろそろこの生活にも慣れたので
朝新しく生まれたての時に思い浮かぶことが、自分の心からの言葉だと思って、大切に書き留める。


2020年4月19日日曜日

黒豆

今日は昨日一晩中水につけていた黒豆を炊くのを楽しみに起きた。

豆は一晩つけておくだけなのに、なかなか時間がかかると思いがちで普段から作ることがなかったけれど黒豆が大好きである。

社長のじゅんこさんも黒豆が好きと聞いたことがある。あとは鰻。
だいたい大きな話をするときは鰻を一緒に食べたイメージで、場所も景色も全部覚えている。むしろじゅんこさんとしか鰻を食べていないんじゃないかと思う。

社長の話題が出たので


今「大人になったら、着たい服 2020春夏号」 にじゅんこさんが出ています。昔の話や、日本で一番最初に外国人モデルを連れてきた話、色々聞いてきたけどバリバリいつまでも働く姿は本当にかっこいい。


新人の頃はよく怒られて、着信に「じゅんこさん」とでると1コールじゃとれないくらい心を落ち着かせてとっていたよ。時間に関係なく怒られては「玉ねぎでも切って全部涙流しちゃいな」って言われていたけど。じゅんこさんがサラリと言う一言は全部覚えてるし、何年か経たないとこういうことかというのも分からなかったな。だけど本当に東京で、人生で出会えて良かった人です。

朝から黒豆を見て思い出した。

2020年4月18日土曜日

買い物にたくさんは行けないので、
買ってきた食材全てを無駄なく使う。
いつもだいたい必要な量だけを買って冷蔵庫の中身を食材リレーのようにしていたのだが、
一度に買う食材の種類は少し増えた。そのお陰で食卓に彩りがやってきた。
そして外食もしない、現場からお弁当を持ち帰ることも無くなって、今や冷蔵庫の中身を把握しているからか今日何作ろうが早くなった。

これまで友人の誘いでお料理教室に行くこともあったが、誰かに見せられるような華やかなものはやっぱり性に合わず、お婆ちゃんがカボチャを炊いたとか、水菜と揚げを炊いたとか、なんか片栗粉をお湯で溶かして何か入れて黒いものをおやつに食べていたとかそういうことで育った私はやっぱりそういう普通の薄味の家の人が食べる毎日のご飯が好きである。

色んなレシピを見て作ったけれども味もやはりガツンと濃いものがなんとなく印象付けに美味しいと思いがちで、やっぱり素材が誤魔化されてないものが好きだと思って染々食べている。

結局のところ自分は眩しい世界にいるようで山育ちの野鹿であることに気づく。
家で着ているものなんて舞台の時に使ったモンペだし。ちょっと寒いので腹にサラシ巻いてるし。

週末に雨が多い。
暗い朝だけど静かに雨音が聞こえるくらいのたくさんの雨。世の中のコロナを洗い流してくれはしないだろうか。それとも土曜日だけど外に出ないようにしてくれているのだろうか。

夕方になって美しい光が差し込んできた。太陽ってこんなにも眩しくて美しいのだと教えてくれる。
もうすぐ夜に傾いて日はまた沈むから、より一層心からなんとか感が沸いた。

2020年4月17日金曜日

距離

ここ最近毎日のように色んなところから荷物が届く。ソーシャルディスタンスという言葉が生まれたが確かに社会的、物理的距離感は広がったかも知れないけれど、これまで一緒に仕事をしてきた人達からのお届けものだったり、ある意味現場で会う人会う人私たちの仕事はその日会ったら次はいつ会うか分からない。とりあえずその現場を粛々と円滑に納められるよう努める。
そんな中で築けることなんて仕事での信頼とかだけど、今はその領域を越えた人と人との心の距離は縮まったようにも思う。
有り難さや人として大切にしようと思える人達が自分の心に今は溢れている。

2020年4月12日日曜日


朝の5時半ごろに起きて習字をやる。
Tokyo kodoさんの朝露というお香を焚きながら。
この香りを嗅ぐと小さな頃に見た景色が思い出される。奈良のお婆ちゃん家の朝方、暗闇と朝の光とが交差する香りと薪を炊いているにおいとがまざって、朝が来たとお手洗いにいく途中に通る縁側からの景色。隣の家は見えないほど遠く、緑いっぱいの山々に囲まれている。

ここ数日、色々考えた。
早く元の生活にというけれど、本当に人と人との距離や、密集する場所など元に戻るのだろうか。
それよりも自分自身が元に戻ることだけを願っているだろうか。以前、1月2月はたくさん撮影をしたと書いたが、表向き全般前向きな気持ちに仕向けて書いている。だけどいつぞやの鹿日記には、撮影が終わった後、ドクタースースーの描く色彩を見る日々も書いている。撮影をすればするほど自分の中が空っぽになった気分で急いで色を入れようとする作業。

誰も気付くことなんて無かろう。自分自身がしっかり気付いて見て見ぬふりをしないようにしなければならない。自分だけが良いと言うのではない。もちろん自分に出来ることはと思ってやってきた。長年色んな方々が作るお洋服を着て、近年本当に変わったのは圧倒的な服のもつ生命の力。私が着る頃のその服は非常にフレッシュで息吹さえ感じる。それは纏った瞬間にも長時間着ていても分かる。自然の恵みなのかなんなのか。着たときは知らないことが数ヵ月後世に発表されて詳細を知ることになる。これからはお洋服を着ることは本質を着ることになると思う。
そのために自分達が変わらないといけないことがある。「元の生活に」の前に繰り返されてきた何かに気付かないといけないことがある。

2020年4月9日木曜日

JUN MIKAMI 2020 ss

JUN MIKAMI 2020ss

純さんと知り合って、何年もルックを担当させて貰って本当今ではたくさんの方々が知ってくださるブランドになりました。

最初はニットのイメージカットのみの撮影だったのがいつしかルックブックになって、純さんのセンスの良さがますます世の中に広がっていったと思います。
JUN MIKAMI のお洋服を着て出掛けると「それどこの?」と聞かれることが多くなって、あるシーズンからは「それ私も色違い持ってます」「素材違い持ってます」と言われることも多くなりました。あとは「JUN MIKAMIのモデルさんですよね」

(左は2019年のもの  右は2018年のもの)
どの声も本当に嬉しいです。こんなに長年多分どこのブランドを探しても同じ人を起用してlook bookを作るところって他にないと思ってて、一人の人がこうするとどうなるっていうのは純さんから聞いてても行き詰まるところがないみたいです。

私が知らなかった自分を純さんにいつも教えて貰って、純さんみたいな人が自分のお姉ちゃんだったら良いなと思うような人です。いつも肩の力が抜けてて、自分に無理も嘘もなくて、競争心もなくて(←ご本人曰く昔から負けグセが有りすぎて気にならないのだそう) 私の人生で会ったことのない人です。

いつか純さんについてインタビューをどなたかにして頂きたい。センスの良さはまだまだはかり知れず、ずっとニットを編み続けている純さんの哲学のようなものもあると思っています。

本当は今シーズンの look の説明をしたかったんですけど、書き始めたら純さんのことばかりになってしまった。JUN MIKAMI 2020 SS は 純さんらしい抜け具合と素材と品とのバランスが素晴らしいと思いました。ジャージもJUN MIKAMIだとこうなるんだと、ちょっとしたことが品よくお洒落に繋がっています。


2020年4月8日水曜日

皆のそれぞれの家での過ごし方を見ていたら、お料理の上手なこと。
器もこだわって、なんて素敵なんだ。

私は出汁をとるのは好きだけど御料理は得意じゃないのでひたすら
「今日の出汁色」という投稿になるだろうな。

御料理は苦手だけど
簡単で間違わないのは栗原はるみさんのレシピ
おつまみ家庭フルコースに美味しいと思うのが高太郎さんのレシピ。(行ったことのですが渋谷にお店があって予約がなかなか取れないらしい)
高太郎さんのレシピ本、どれを作っても美味しいです

時間をかける行程と自分を愛でながら作るのは、はばぁばこと鈴木登紀子さんのレシピ(←御節が凄いです)
今年のミセス1月号の付録です
いつかやってみようと永久保存版

2020年4月7日火曜日

ナマケモノ

前も少し書いたけれど、JALが毎月発刊する情報誌AGORAが好きで今月も楽しみに読んだ。

面白い記事があってナマケモノについて
「究極のエコな動物」と書かれていた。
読み進めると、ナマケモノが初めて6世紀にヨーロッパに紹介されたときには、木にぶら下がったままで何かを食べている姿をほとんど見ないことから「風から栄養を摂取する動物」と思われていたそう。

動かないことで運動量を減らし代謝を抑え、一日に少しの葉っぱや新芽を食べることだけで生きていける。
ここからが凄いのだけど、自分の体毛の中で藻を育てそれも食料にするのだそう。
週に一度木から下りて排便をし、自分の住む木に還元をするサイクル。

恐れ入ったよ。
あんなニコニコした顔してる理由がわかったよ。

IENA la boucle



今年の初めに撮影をした


写真はhiroko matsubaraさん
これまでにも何度か一緒に撮影しているけれど大好きなフォトグラファーさんです。
終わったあとに思わずハグをしてしまうほど。


そして次にHirokoさんに会うまでに自分にとってまた特別な経験を重ねていようっていつも思う。

携わってからはお店にも訪れるようになりました。IENA la boucleのお店に行くと皆さん髪の毛もメイクも全部お洒落だなってお客様を見て思いました。
そして世の中の人の「好き」を察知してお洋服を生み出すのって凄い。人気のものはすぐ売れちゃって早い。
撮影の現場のことしか分からなかったけれど答えがあるのはお店だと思った。お客様と接客されている方々の姿。
お店でたくさん学ぶことがあった。

私は撮影現場のことしか詳しくは伝えられないけれど、また日常が戻ってきたら、素敵なお洋服に加えて素敵なクリエーターさんや作り手の方々が携わるお洋服なんだってお店で思ってもらえると嬉しいです。

2020年4月6日月曜日

ここ2ヶ月の間、普段全然夢を見ないのにイギリスの夢をよく見る。
なんでだろう。

そして世の中がこんな大変なことになっているのに美しい朝日が窓から差し込んでいるのに気付いて目覚めると、本当にこの世が大変であることを一瞬忘れる。
でも現実だったとしばらくすると思う。

こんなに外は明るくて美しい光
全部嘘だったら良いのにって思う。

元々外にあまり出ないので家にいることは苦じゃないけれど、人と人が接するって物凄く大切。
震災の時、私が住む東京よりもっと大変な地域があったからこんなことを言ってすみませんが、正直大きな揺れを感じたとき高いビルの地下に居て「死ぬかも」じゃなくて「死ぬ」って一瞬心のなかで誰かを叫んで祈った。その次の日すぐに新幹線で奈良に帰って、同じ考えの人はたくさん居て、新幹線車両の連結部にたくさん人が満員電車のようにいました。
私もそこに居て、普段の満員電車なら人のイライラもなんとなく感じるけれど、その中は、人が人を感じて、同じくらいの怖い思いをして、その人たちが今生きてるって実感できたのは生きてる人がそばにいるって感じられたから。異様なほどに優しい子供のような空気に包まれた空間だった。人は人がいるから生きてるって思えるし、人に触れられる、人を感じるって物凄く大切なこと。抱き締めてくれる人がいるって本当に素敵なこと。人が人を大切に想うって
私色んな人から連日たくさん電話やメール頂いて、皆最後に笑顔でまた会おねとかまた一緒に笑いながらご飯食べようって。
人の笑顔と飯。最も大切なことなんやと思う。生きてさえいれば仕事はまたできる。
とにかく元気でいて欲しい。

2020年4月4日土曜日

島らっきょうとアテモヤ

普段やったことないことをやろうと
島らっきょうの甘酢漬けを作ってみた。

どこまで島らっきょうの皮を向いたら良いのか分からず、ほっそいほっそいらっきょうになってしまったけれど、漬かるのを楽しみに待っています。

そしてアテモヤを初めて食べてみた。


マンゴーとラ・フランスを足したような味がして、沖縄気分を味わっています。
行ったことないけれど。


2020年3月27日金曜日

日常が日常

& Premium 5月号

のロンハーマンが提案するスタイルのページに出ています。

wearing on Vika Gazinskaya 
ロシア出身のデザイナーさんのブランドです。

初めてご一緒させて頂いた雑誌でしたので最初から全部読んでみました。

素敵な方々が登場されるので、読み終わった頃には自分が座っているところから部屋を見渡し、部屋の間取りを書いて模様替えをしたくなりました。
春号ともあって、新しいお花を知る機会にもなるので、花を活ける素敵な花瓶を見つけたいです。

ファッションページも日常が寄り添っていて、ハイジュエリーの日常使いは本当の意味での憧れです。
今シーズンのlookを担当したフランスのジュエリーブランド 「in unam」 も紹介されていました。



色々なお店で見かけては気になっていた Text というブランドのコンセプトや考え方を読んで、今度こそ袖を通してみたいと思いました。
(ISETAN men's.netのインタビュー記事がとても分かりやすかったのでリンクをお借りしました。)

写真も文章も読みやすくて
世の中にはお洒落だけじゃない素敵な方々がたくさんいらっしゃいます。



2020年3月25日水曜日

チャイの師匠

「26日にマツコの知らない世界に出るので観てください」
とチャイの師匠神原さんから連絡があった。
今までテレビというものをあんまり見てこなかったのだが、最近は情報を得るために見ることも多くなった。
ドラマや番組、CMなど見ていると色々な点に気付いて面白いので、これはまた今度に。

「マツコの知らない世界」が始まる時間にテレビにかじりつき、神原さんの登場にマツコさんがナチュラル!と第一声。私も師匠がいつも通りまんまで出てるのに笑った。「40年間チャイを作り続けている男」として紹介されていたが、番組で砂糖をいれ忘れていた。
これもなんだか師匠らしく、今メールでその事をやり取りしている。
昨日の晩から友人たちからのメールが止まらないのだそう。

神原さんとの出会いはひょんなことなのだが、神原さんのアイスチャイを初めて飲んだ時、衝撃を受けた。本当に美味しくて、今まで飲んでいたチャイは何だったんだって思いました。

何度か師匠の前でチャイを作ったり教えてもらったりしたのですが、神原さんの味になぜかならないんです。だからこそ神原さんのチャイを飲んで欲しいなって思います。テレビに出てても誰の前でもあのまんまの謎の愛され正直キャラクターです。

ちなみに師匠と弟子というのはあだ名みたいなもので、師匠の味を忠実に再現できる訳ではありません。

2020年3月16日月曜日

おにぎり

日本航空から毎月届くAGORAに「日本のおにぎり文化」という記事がありました。
紹介されていたお店は2つ


浅草宿六さんは何年か前に行ったことがあって、おにぎりを食べに行くというのにまだそこまで興味がなかった時なのですが、お寿司屋さんのようなカウンターからおにぎりが出て来て感動したのを覚えています。

おにぎりサイズはたくさんは食べられないのですが、この年齢になって、今では小腹がすいたらおにぎりやさんに入るということをしたくて、私の方からも一つ好きなおにぎりやさんを紹介したいです。

人形町にある「shichiroka」さんです。
おにぎりでだいたい梅を頼むことがなかったのですが、ここに来ていつも頼んでしまうのが梅です。あと玄米もとっても美味しいです。
誰かが握った、最も普通に近いおにぎりというのが私は凄く好きで、塩味も具材とのバランスが私にはちょうど良いです。
おにぎりってお婆ちゃんとかがリズムよく手の中で転がして握ってしまう記憶があって、何だかそういうのに近いものがやはり私は良いなぁと思って。
shichirokaさんの店内はとても小さいですがその感じも好きで、朝御飯定食なるものがあるんですけど、いつかこれを食べたいと思っています。



2020年3月10日火曜日

3月だ

ご無沙汰になってしまいました。
昨日久しぶりに事務所に行って、社長のじゅんこさんから「鹿日記」というワードが飛んできたので、一ヶ月くらいお休みをしてしまった鹿日記を(慌てて)書き始めました。

マネージャーからも昨年、いつ更新されるか分からない鹿日記と言われていたので、今年は毎日何か一つでも更新しようと心したのに、私の心の有り様よ。

この一ヶ月の記憶と言ったら、撮影をたくさんしたなぁという印象で、というのも撮影が仕事なので普段そういうふうには思わないのですが、きっと心に残る撮影が多かったのだと思います。難しい撮影も、難しいと思えてとても良かったですし、なんだかんだ振り替えれば15年、人生の半分近くモデルを続けられて、色んな時代がありながらも、今年になってまた新たに自分の中で分かったことがありました。
何年かに一回しか方程式の解がほどけるような瞬間はやってこないのですが、今シーズン世の中に現れるお洋服との出会いで変わりました。

モデルって色んな人から刺激を受けて見せ方の術を学んだり、ぐるぐるぐるぐる色んな方法を試しては自分の最も深いところの芯が形成されて個人の特有の見せ方も確立されるだろうし、これまでもとても時間がかかったけれど、この一ヶ月は素晴らしいお洋服との出会いが多かったのだと思います。お洋服に育てて頂きました。

20代の頃は自分が出ているものをまだかまだかと待っていましたが、今はチェックするところも変わりました。ちゃんとお洋服の意図を汲み取れていたのか、自分が着たときに思ったこの服の美しさが実際写真に現れていたかとか、もっと意識的なこともあるし、写真によっても違うんですけど、少しはまたモデルに近付けたんじゃないかと思いながら、今日は朝なのでこの辺にしておきます。

昨日は本当に月が綺麗でした。


2020年1月27日月曜日

一汁一菜



昔行ってた美容室の私より10こくらい若い子が食は空腹を満たすためだけのものでしかないと言ってて、その子にこの本読んでと言いたい。若い人に読んでほしい。私も東京に来て初めて一人暮らしして、それまで実家で毎日無条件に出てきてたご飯が自分で作らんと始まらんくなって、
良い仕事は良いご飯から、良い仕事は良いお家からって色んな職種の人が言うてはった。でもそんなことをちゃんと理解するようになったのは最近かもしれない。

この本の中で採算出てくる「情緒」という言葉
そして「本物」であるために大切なことを2つ。

私まだまだ辿り着きたい処があるわ。

私、奈良の生駒出身なのですが、この本に出てくる土井先生も通ってはった「やきもの 生駒」って全然知らなかった。
知っていたら行きたかった。
生駒に日本中から選りすぐったセンスの良い器やさんがあったとは。

2020年1月24日金曜日

色彩を探す

難しい撮影が続くと、
家に帰って床に座り、ソファーにもたれながら
ドクタースースの緑の卵とハムを見る。
ドクタースースの、日常ではなかなか見ない色彩をひたすら見るのである。


因みに字幕のぶつぶつというのは「rush」というのだが、
昔、イギリス生活で蕁麻疹になったとき、症状を見せたら rush?って言われた唯一覚えた単語の1つ

2020年1月22日水曜日

額縁

お願いをしていた額縁が出来上がったとのことで、浅草橋にある東芸フレームさんに取りに行った。
東芸フレームさんの伝票をよくよく見てみると、奈良の三条通りにあるお店「書遊」さんの社名があったので、店主に尋ねてみると業務提携をされたのだとか。

書遊さんは書道の道具などが揃っているお店で奈良に帰るとたまに封筒を買いに行くくらいなのだが興味深いものがたくさんある。

今年になって実は書道を始めた。
なぜなら、毎年年賀状で自分の字を見て絶望していたからだ。そのことを店主に伝えると
「お待ちしていますよ」
「多分10年以上はかかると思います」
「それまで生きてるかな」

と、預けた絵が預ける前よりも生き生きして、その絵に合った額縁を提供してくださった。いつか額に入れられるような書が書けたらここの店主に一緒に額を見てもらいたい。

これまで絵を飾るような家ではなかったのだが、写真家の友人の写真や、馬喰町にあるミナペルホネンのお店 elava Ⅱなどで頂いた絵を大切にしたいと思ったのがきっかけである。



2020年1月19日日曜日

最近の嬉しいこと

茶碗蒸しが上手く作れるようになったこと。

美しい卵と出汁が合わさった色が濁りなく椀に張って、その姿の美しいこと。スプーンを入れれば少し出汁が現れて、それと一緒に掬い口に運ぶ。好物を自分の手で美しく美味しく作れるとはなんと嬉しいことか。

この茶碗蒸しが愛しく見える椀が知りたい。
出来れば蓋付きの

2020年1月18日土曜日

ケーキとナイフ

美味しいお菓子をたくさん知っている友人に教えてもらったお店 イデミスギノ

前回行った時はイートインは激混みで、ジャムだけを買って帰った。
今回訪れたのはお昼過ぎの14時くらいだっただろうか、少し待ったら入ることが出来た。
一つ700円代のケーキ達、
テイクアウトのお客さんがたくさん居たので少々焦り気味で注文し、あとで気付いたけどイートインでしか食べられないケーキがあるではないか。

席に座り、静かにケーキと向き合う。
なんて名前のケーキか忘れてしまったけど帝国ホテルの外装と内装が合わさったような上品さ、クラシックな感じではなく大人の雰囲気のするものだった。←私の舌の感想すみません
少しずつ味わって食べた。食べ終わって回りを見たら皆ナイフとフォークで食べてた。僕、ケーキをナイフを使って食べたことないよ。しまつた。

食べ終わってレジの方に進むとソファー席に絵が飾られてあるのが目に入った。あまりに素敵な絵だったのでレジのお姉さんに尋ねてみると「日本画家の福本正さん」という方が描かれたのだそう。


いつか運良くソファ席に座ることができたら福本さんの絵を見ながらエベレスト (イートインでしか食べられないケーキの名)をフォークとナイフでいただきます。

写真は日本橋artさんのインタビュー記事よりお借りしました。
是非こちらの記事も合わせて読んでみてください

2020年1月17日金曜日

最近の好きなこと

撮影が早めに終わったというのに、私は最近家が好きで直帰してしまう。
せっかく外に出掛けたし、ヘアさんやメイクさんに素敵にしてもらったのに。

家で、三葉虫の化石みたいな銀色の湯たんぽの近くで、本を読んでるのが最近の好きなこと。
(注;三葉虫を大切に包んであげること。火傷注意)

2020年1月15日水曜日

カルボナーラ

今日は朝からなぜだか散々だった。散々とはとんだ言い種だなと言ってる自分もいるのだけれど。
今日はそんな日なんだと思いながら、朝からオーディションに行き、次の用事までに腹ごしらえをしようと入ったお店で右には60代くらいの女性3人、左には高校生のカップル

高校生のカップルと隣になることが全くないので一体どんな会話をするのかと思いながら、カルボナーラを食べた。カップルの女子が一言も言葉を発さないではないか。

右の女性方は先生だったのかな。校長先生の話をしている。校長先生か、と私の記憶には一番に思い付くのは小学校の時の校長先生だった。
毎日欠かさず私たちが登校する時間帯に校門から少し坂を上がった辺りに立って、笑顔で生徒たちに挨拶をしていた。低学年の子達は校長先生とジャンケンをすることを楽しみにしていた。私もジャンケンしたかったのだが、極めてシャイな小学低学年時代を過ごしていたので、いつも友達がジャンケンしてるのを30歩くらい遠目から見ていた。話したことはなかったけれど顔も名前もフルネームで覚えている。
皆大好きだった校長先生。

懐かしく温かい思い出に浸れたのだから散々ではないのだ。

2020年1月14日火曜日

錦繍

昨年の師走のある日、5ヶ月間舞台稽古と本番をやりきった私にじゅんこさんがお食事を誘って下さった。
20代の時、じゅんこさんとのお食事の場で、本の紹介を受けたのだが「これはちょっとまだ早いかな」と言われた言葉を今思い出した。何の本かは忘れてしまったが。

この師走のある日の会話に出てきた本は
宮本輝さんの「錦繍」という本だった。早速図書館で借り、まず最初に衝撃を受けたのは、今まで読んでいた小説はなんだったのかと思った。


最後まで読むとこれまで読んできたことがこの一言に集約されていたんじゃないかという言葉に出会うのだが、本当に良い女たちが登場する。
宮本輝さんの美しい文章を読んで、私のこの感想ったら恥ずかしいばかりだが、この辺りに人に送った手紙は、読み返すと音がいつもより滑らかに聞こえるよう何文字か加わっているようだった。

2020年1月13日月曜日

受け継いでいくもの

ミセス1月号

最初から最後まで全てを読んだ。

ジュエリーやファッションを説明する文章
季節に合った衣食住、そして大きな人生の流れを読むようなコラム。

なぜ私なんぞこんな若僧がミセスの撮影にと最初の頃は思うこともあった。しかし今回、小林照子さんの「次世代への手紙」のページで
「外見的な魅力を最初に磨いておいて、中身は後からつけていけば良い」と。
私はお仕事で着させて頂くものを普段身に付けられるかというとそうではない。
高級なジュエリーやお洋服、買える日なんて来るのだろうかと今よりもっと若いときは思っていた。
しかし良いものを見る機会がたくさんあったお陰で、なんとなく手触りや輝きによって素晴らしいものであるということを感覚的に感じることが日常的にも養われていったようにも思う。
そして日本の一流のアーティストの方々が携わるミセスには、一流の仕事を見ることができる。先輩方の撮影は本当に痺れるし、この雑誌を作っている編集の方々にも会える。どんなに忙しくてもスタッフの方々に手作りのお菓子を作ってきて下さる編集の方もいて、そんな方々が作っている雑誌を全てのページを見ないわけにはいかないと、何日かかけて見るのである。最初から順々に進めていくとページの流れも素晴らしいもので、自分の中にたくさんの知識が入った。
この中に詰まっていることは街を歩いているとハッと、今まで自分が知らなかったお店の前で足が止まったりするきっかけにもなる。足を止める日が中に入る日になっていったり、すぐにではないけれど、いつの日かそうなっていく。
多分読まれている方々の年齢は私よりもお年を重ねられた方々が多いかと思うけれど、私たち世代にも伝えたいことを受け取った。



2020年1月12日日曜日

撮影でも、この撮影が終わらなかったら良いのにって思うことがある。
昨日の撮影がまさにそうだった。

そして前日に食べたご飯も一皿一皿、
このお皿が終わらなかったら良いのにって思うご飯だった。



2020年1月11日土曜日

冬の景色

長めの黒い革ジャンを纏った老年の男性が
橋から少し身を乗り出すようにして川を見ていた。
お世辞とも綺麗とは言えないその川に何かあるのかと思いながら、
その男性の右手には3/4ほど召し上がられたガリガリ君。
通りすぎてから川を覗いてみたが
男性には一体何が見えていたのだろう。

2020年1月9日木曜日

2020年1月8日水曜日

江戸の雨


事務所に新年のご挨拶に行った。
社長のじゅんこさんとお着物の話をして、
「江戸時代の着物の着方、格好いいわよ」
という言葉を元にたまたま目に入った
江戸東京博物館で開催中の「大浮世絵展」に行ってきた。


「江戸のお着物の着方」を念頭に行ったのだが、喜多川歌麿氏の浮世絵から始まり、着物の着方はかなりはだけていることになっていたけれど、
東洲斎写楽に続き、葛飾北斎、広重さんに国芳さん、
じゅんこさんからのお題なんかどこかに行ってしまうほど、良いものを見てしまった気持ちだった。

今日はお江戸は雨でございますぞ。
この雨は広重さんならどんな雨にするのだろう。

名所江戸百景浅草田浦酉の町詣

2020年1月7日火曜日

奈良の湯


もう一つお勧めしたいのが
銭湯の「ほてい湯」である。
銭湯を訪れた回数もそんなに多くはないけれど、今までで一番良かった。
広さと良い、サウナと良い。

西村邸を拠点に奈良にはこんなに素敵なところがあったのかとたくさん発見があった。

お正月におばあちゃんちに来たかのような休息感が得られる西村邸。
夜ご飯の予約までしばし堀ごたつでうたた寝、夜は久しぶりに友人とこれまでの人生を語り合った。

彼、水泳部だと思い込んでいたが、
剣道部だった。
じわじわ思い出してきて、高校の時そんなに絡みは無かったけれど、友人がやると決めて走っている姿は輝いていた。高校の友人何人かにたまに会うけれど、皆自分がこれだと思うものに出会っているその人の言葉は綺麗な鯉が天に昇っていくようなそんな絵が思い浮かぶ。


2020年1月6日月曜日

奈良の美味しいお店

そしてその日は西村邸に宿泊した。
西村邸までの道で美味しそうなお店を二つ見つけた。一つはフレンチでもう一つはイタリアンだった。

最初に言うけれど、本当に美味しかった!
心から美味しかったものを写真に納めるのを忘れてしまったけれど、覚えている限りでご紹介したい。

そば粉のガレッド

猪のラグーリゾット

四国みたいな形のお皿に乗ったチーズ盛り合わせ 

しっかりお紅茶の味がしたデザート

口からミルクが出るようになっていた猫の容器


写真に納めるのを忘れてしまったけどイカスミの冷製パスタというのがあって、そこに百合根が使われていた。私自身百合根に触れるのはこれまで茶碗蒸しのみだったのだが、
こんなに甘い百合根に触れたのは初めてだった。シェフのパワーある説明が果てしなく大切にされた百合根だということが分かった。完熟させた百合根がここまで甘いとは。

そして選べる3つがコースの最後の方にあるのだが、選んだパスタ、そんじょそこらのパスタの美味しさじゃないくらい美味しかった。シンプルなトマトソースなのに何がどうしてやってくる風味がここまで違うものかと。
奈良は美味しいものはあるの?とよく聞かれるけれど、是非ここにお連れしたいと思った。


2020年1月5日日曜日

奈良のセーヌ川

奈良に帰る度に新しいところを発見できたら良いなと思っている。
私の通っていた高校は新大宮にあった。高校からの帰り道、いくつかルートがあって、私は今でも佐保川沿いを歩き、船橋商店街を通り抜ける道が好きだ。
今回も歩きながら船橋商店街がこれからどうなるのかと楽しみに見ている。
昔ながらの青果店や、パーマ屋さん、電気屋さん、道も塗装されて綺麗になった。そこへ新しいカフェや眼鏡屋さんが入り、少し寂れた商店街が新旧混ざって素敵になっていくかと思いきや、住宅が増えて、商店街というのかどうなのかという感じになったように思えた。
お正月でどこもお休みだったからかも知れないが。

今日は高校時代の友人がお婆ちゃんのお家を改装してカフェ兼泊まるスペースを始めたとのことで、そこに行くことになっている。
船橋商店街を抜け、近鉄奈良駅から東向の商店街を抜け、ならまちの方へ歩く。
こちらの方が随分と新しめのことをやっているように見えた。随分ゲストハウスも増えている。
方向的に東大寺や興福寺に行った帰りに、とはならないならまちに是非足を運んでみて欲しい。
新しい発見がいくつもあった。プラプラ歩いているとなんだろうと思うところや、このお正月期は近鉄奈良駅周辺はどこもたくさんの人でカフェも入りにくい。友人が営む西村邸までの道でならまちを歩くのが好きになった。



2020

明けましておめでとうございます。
お正月ってなかなか忙しい。
奈良でゆっくりしたいと思っていたけれど、
ゆっくりって一体なんなんだろうと思う。
本当にゆっくりすることって一体どういうことなんだろう。

実家に帰ると特大のカレンダーが壁に釘で吊るしてあった。


うちの家はずっと1月のページから動かないのだそう。
母が何か嫌なことがあったらこれを見て和む
と言っていた。世界中のどこかでこれを見て和んでくれる人がいることが有り難く、
そんな嫌なことがあるのかと心に留めて、
この仕事の時を思い出す。私なんぞが発言して良いものか分からないけれど、
写真家のワタナベアニさん、今までも仕事を何度かご一緒させて頂いたことがある。静かにシャッターを切る姿、そして上がってきた写真を見ると、アニさんには一体何が見えているんだろうというくらい私自身でも見たことのない自分が写っている。
そしてこの時初めてお会いしたお着物のスタイリストの森さん、
私自身お仕事でお着物の世界に触れられた最初の方が森さんという方で本当に良かったと人生においても思った。
それほどこの仕事に魂を感じる方だった。
そしてもっともっとその世界の奥ゆかしさや本物を知っていらっしゃるのは森さんと森さんのその先にいらっしゃる素晴らしい職人の方々。


私は今年も粛々と目の前のことをしっかり納めて、行くところは行きます。