ミセス4月号
この号でミセスは休刊になるそうです。
たくさんのことを教わったミセス
東京に来たての頃、こういうモデルになりたいとか漠然とした夢がありました。
ミセスに出ているモデルの先輩方の美しさに惚れ惚れして、いつかこの雑誌に出られるよう頑張ろうと心の片隅に置いて過ごしていました。
東京に来たての頃は夢しかなくて、こうするためにはどうしたら、こうなるためにはどうしたらと日々考え、それを実践していたように思います。
特に20代の半ばに海外のエージェントと契約した時には、ロールプレイングの主人公になった気分で自分を自分で動かしていたような感覚でした。
そして30代を目前に日本に帰国したのですが、心身共に疲れ果て、すべてをやめて奈良に帰ろうと思っていました。
そんな私を多分察して、社長からたまに飛んでくる言葉がやって来ました。
モデルという仕事は私はとても短命だと常々どこかにあったので、自分が叶えたかったことを、もちろんもっと大きなことはあったけれど、イギリスで自分の心の中で何周もして、叶えたいという思いの過程で自分の変わらない心に気がついて、それを追究したんですね。それを納得した時に、もう良いかな、ってどんな仕事もそうだけれど、次の大台に乗るときはしばし立ち止まって考えた、というのが30手前だったんでしょうね。
社長に
「私、今年70よ。」と言われ、ハッとしたんですね。なんか多分エネルギーが燃え尽きちゃっていたというのもあったんでしょうけど、これから日本で見れる世界を放棄しようとしていたんだなって気がついて。
そこから暫くジッと過ごし、そうすると舞台のお仕事やミセスと幅が広がり、そういえば東京に来たときにミセスに出るようなモデルになりたいと思っていたんだったって思い出しました。
30代一年生としてまた新人になったつもりで頑張れば良いんだって思いました。
いつだって紡いでる毎日の先に自分が立っていて、決して後退しているわけではない。
携わったミセスは本当にヒトもモノもどちらも大切にしてくれる雑誌でした。この号をもって休刊になるそうですが、この号でここまで伝統と歴史のある雑誌だということを知りました。親から子へ、親子一緒にという、60年の歴史。
私はたくさんのことをここで学びました。