2019年12月24日火曜日

おじいちゃんの時計

私には大切な時計が一つある。
家にも時計を置いてなくて、母が泊まりにきては
「あんたの家は時計はないのか」
「もうこんな時間や」

と11年言い続けている。

多分あんまり時間に縛られる生活をしていないのと体内時計の関係でそんなに時計を見なくても良いようになっている。あとは多分携帯があるというのも一つ。

ただ、私には大切な時計が一つある。
おじいちゃんの形見とでも言おう、おじいちゃんの腕時計だ。(正式に言うとお婆ちゃんのお兄さん) イギリスに修行に行く前にお婆ちゃんが「あんた、これ」と戦争で負傷しても生きて帰ったおじいちゃんのやからと渡してくれた。
ずっと日本時間のまま肌身離さず持っていた。

その時計も電池が切れてずっと止まったままだった。そしてバンドのベルト部分というのが切れて無くなっていたので、針金で止めていた。
そんなこんなで最近年末ともあって色々と整理をしていて、「本当に大切なもの」について考えた。次の日、ずっと気になっていた人形町の大通り沿いの「佐野時計店」に持っていった。

他の方の投稿を見てもらうと分かると思うけど、かなり入るのに勇気がいる。だけど入って良かったし、また来たいと思った。宝物の時計が佐野時計店によって更に宝物度が増した気がする。