2020年1月14日火曜日

錦繍

昨年の師走のある日、5ヶ月間舞台稽古と本番をやりきった私にじゅんこさんがお食事を誘って下さった。
20代の時、じゅんこさんとのお食事の場で、本の紹介を受けたのだが「これはちょっとまだ早いかな」と言われた言葉を今思い出した。何の本かは忘れてしまったが。

この師走のある日の会話に出てきた本は
宮本輝さんの「錦繍」という本だった。早速図書館で借り、まず最初に衝撃を受けたのは、今まで読んでいた小説はなんだったのかと思った。


最後まで読むとこれまで読んできたことがこの一言に集約されていたんじゃないかという言葉に出会うのだが、本当に良い女たちが登場する。
宮本輝さんの美しい文章を読んで、私のこの感想ったら恥ずかしいばかりだが、この辺りに人に送った手紙は、読み返すと音がいつもより滑らかに聞こえるよう何文字か加わっているようだった。