東京のコレクションが始まるまでにイギリスの事を纏め上げようと思っていたのですが
遂に昨日から東京のファッションウィーク が始まりました。
今季、私のAWの封切はmatohuさんでした。
matohu 2014-2015AW
人生で初めて自分の中では長期日本を離れていたので
日本に着いて目に入るものがいつもとは違って見えて色々確かめたいことがあったので一番最初に浅草のかっぱ橋を訪れました。
イギリスの生活の中で最も気になったのが食卓の音でした。
お箸と、陶器や漆器とが重なる音と
銀食器と、カンカンのようなお皿や陶器とが打ち合う音
もう少し視覚的なことも言えば、日本の食器に描かれた和柄に藍の色
持ち上げた時の手の感覚、これはイギリスでは見ることはありませんでした。
日常お箸が普通にあって
漆器やお茶碗の柄や、さぞ当たり前のように感じていたものが無いのです。
それをかっぱ橋で改めて見た時のなんて美しいんだろう!という感動ったらありませんでした。もっと言うと、日本語の平仮名の字体をそれぞれのお店の看板ごとに見た時も、真昼間の閉まった焼鳥屋さんの前で何だか遠くにとても情緒のようなものを心のどこかに感じてサーっと後ろに倒れそうな不思議な気持ちになったり、
お蕎麦屋さんの前でただ「おそば」と草書に近い字体を見ては何て、なんて優しい心なのだろうと感動をしてしまいました。
平仮名にカタカナ、漢字、日本語には沢山気持を表現出来る字体があってとても良かったなぁと思いました。
東京のコレクションの話からはだいぶと逸れてしまいましたが
今回でmatohuさんのお洋服を着るのは4シーズン目になります。
毎シーズン、ショーの前にmatohuさんのアトリエでメイクテストをするのですが、
デザイナーのお二人と演出の辻井さん、ヘアのABEさん、メイクのNODAさん、スタイリストの長瀬さん、皆さんの意見を聞きながら、そしてデザイナーお二人の表現する世界を皆で創り上げていくそのほんの少しをいつも傍で見させて頂くのですが、どれほどに拘わって、どれほどに互いを尊重し、思いやり、
そしてアトリエの上の方をフッと見上げた時に目に入るmatohuの理念というものがあって、それを見る度いつもあぁここに来られて良かったなぁと思うのです。
matohuを着られることを誇りに思い、デザイナーお二人を人として心から尊敬しているのです。
デザイナーお二人もかつてイギリスに渡ったことがあるようで、その時何を感じたのかとても聞きたいですが、このmatohuのコンセプトにもある「日本の眼」というもの、経験してこられた人生の中でお二人が表現するクリエイションに辿り着いた経緯をいつか直接聞いてみたいです。